午後のロードショー「アウトロー」
公開 2012年
監督 クリストファー・マッカリー
公開当時 トム・クルーズ(50歳) ロザムンド・パイク(33歳)
アメリカの人気推理小説が原作となっており、主人公のジャック・リーチャーは「アメリカ海兵隊員の父とフランス人の母の間に生まれ、陸軍士官学校を卒業後、除隊してからは流れ者となり、アメリカ全土を放浪し、正義のためなら手段を選ばず悪を罰する」という、作者は中二の男子かと思うほどワイルドで男のナルシズム溢れるキャラクターなのです。
トム・クルーズが主演という事で「ミッション・インポッシブル」のようなド派手なアクションを期待してしまいますが、主人公ジャック・リーチャーによる事件の謎解きがメインのサスペンス映画で、全体的に地味な印象があります。
ジャックはコナンのように次から次へと事件を推理しピタリと当て、退役軍人ゆえ腕っぷしも強い「軍人探偵」と呼びたくなってしまいます。
ピッツバーグの川沿いで起きた、男女5人の無差別殺人事件。5人の市民を狙撃した罪で逮捕された元軍人のジェームズ・バーは罪を認めず、「ジャック・リーチャーを呼べ」と要求する…
「元米軍憲兵隊捜査官で数々の表彰を受けるが、問題行動も起こしている。退役後は放浪生活を送っており、所在地、クレジットカードの情報などはすべて不明。彼を探し出すことは不可能…」これだけ盛り盛りのキャラ設定はセガール映画以外で見た事がありません。
ジェームズ・バーの担当弁護士をしていたヘレンと共に、5人の市民が殺害された狙撃事件の調査を始めるジャック。
私物は歯ブラシ一本と現金のみ、着替えも持ち歩かないジャックは、シャツを洗濯している時は裸でいる事を余儀なくされる。
ヘレンと二人きりのホテルの部屋で、すわ、二人は男女の関係にと思いきや…
ジャックはドアを開け「それじゃ、また明日…」と実に淡泊なのです。
ジャックは当然独身であり、当然のごとくモテモテで、行く先ごとに女性から秋波を送られるもクールにかわすのです。
ジャックの活躍により、事件の黒幕が暴かれジェームズ・バーは無罪を勝ち取り一件落着。
ジャックはこの世にはびこる悪を裁くため、再び放浪の旅に出る…
ジャックの語りによる推理劇でストーリーが進行し、やや内容が複雑で、中盤のカーチェイスを除いてはこれといったアクションの見せ場も無いためやや退屈で、見る者の集中力を途切れさせる展開と言えます。
アメリカのアクション映画のタイトルは「ジョン・ウィック」や「ジェイソン・ボーン」など主人公の名前がそのままタイトルになっている作品が多いですね。超人的な強さを持つキャラクターの時に使われがちな印象があります。
本作の原題も「ジャック・リーチャー」で、こういった洋画のタイトルは日本ではあまりウケが良く無いため、日本公開用に変えられる事が多いようです。
2016年に続編「ジャック・リーチャーNEVER GO BACK」が公開されていますが、本作共々トム・クルーズ主演の映画としては期待外れの興行収入に終わったため、続編の製作が打ち切られたそうです。
2022年にAmazonprimeでドラマ「ジャック・リーチャー正義のアウトロー」が配信され、こちらは原作により忠実な内容となっているそうです。
腕っぷしが強くて男前、アメリカ人男性の考える「男らしさ」が凝縮されています。
このキャラクターはトム・クルーズでなければ背負えないでしょうね。
過剰な男らしさは劇画チックでもあり、池上遼一に「ビックコミックスペリオール」あたりで漫画化してほしい作品です。
今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。
総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★
流し見許容度★★
午後ロー親和性★★★