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午後のロードショー「危険な遊び」

公開 1993年
監督 ジョゼフ・ルーベン
公開当時 マコーレ・カルキン(13歳) イライジャ・ウッド(12歳)

1990年公開「ホーム・アローン」で大スターとなったマコーレ・カルキンがサイコパスなヤバい奴を演じた事で当時の話題作でした。
「こんなマコーレ・カルキン、見た事無い…」と見る者の期待を煽るようなテレビCМも頻繫に流れてたのを思い出します。

イライジャ・ウッドは当時まだ無名の子役で準主役の立ち位置でしたが、演技力においてはマコーレ・カルキンを完全に凌駕しています。
「ガラスの仮面」のような二人の天才子役の火花散る演技対決も本作の見どころかもしれません。

母親を亡くし悲しみに沈むマークは父親が出張の間、叔父の家に預けられることになる。
同年代の従妹ヘンリーは、武器や死に魅了されており、徐々にその本性を現し始める…

天真爛漫であるはずの子供が心に大きな闇を抱え、冷酷に他人を傷つけるというのは「エスター」のようでもあります。

本作のヘンリーはこれといった理由もなく、死への探求心が原動力となり次々と身内に手をかける本物のイカれたサイコパスなのです。

母親の死により傷ついた心を癒すため叔母の家を訪れたマークが、妹や母親を殺そうとするヘンリーを命がけで制止するという展開なのですが、これは少し不自然ですね。
主人公が部外者から家族を守ろうとする方が自然だと思うのですが、これは意表を突いたというより、マコーレ・カルキンの妹クイン・カルキンを無理やり出演させたがゆえに脚本が歪んでしまったのかもしれません。
子役二人の演技は素晴らしいものの、感情移入しにくいと言えます。

妹のクイン・カルキンはお兄ちゃんそっくりですね。

ヘンリーが弟を殺害した理由があまり語られておらず、いかにして彼が家族をも手にかけるサイコパスになったのかもう少し丁寧な説明が欲しかったところです。
ラストの母親の究極の選択も今一つ説得力に欠け、消化不良感があります。

イライジャ・ウッドは当時12歳にして他の出演者が霞むほどの存在感と演技力を見せています。
正直、本作では完全にマコーレ・カルキンを喰っているといっても過言ではありません。
まさに喋らずとも「目で語る」役者ですね。

マコーレ・カルキンは「ホーム・アローン」の可愛らしさに「悪」を乗っけただけの、予想の範疇を逸脱しない演技でさほど意外性は無かったように思います。
成長してからは借金問題やアルコール依存症を患ったりと、子役の悲哀を体現したような人生を送ったと言えます。
イライジャウッドが「ロード・オブ・ザ・リング」などでそこそこ成功したのに対し、子役の呪縛から逃れられずシフトチェンジに失敗した感がありますね。

イライジャ・ウッドの抜群の演技力で、キャスティングを逆にした方が良い作品になったかもしれません。

当時のドル箱子役マコーレ・カルキンに意外性のある役をやらせてみようという、作り手のあざとさ満載の作品ですね。

今日も無事に家に帰って午後ローを見れていることに感謝😌です。

総合評価☆☆☆☆☆
ストーリー★★
流し見許容度★★★
午後ロー親和性★★★★★

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