「よくそんな食えるな…青井。」
セレクションで緊張する大友を尻目にガツガツ食べるアシト。
身体は君が口にしたものからできている
君がたまに隠れてお菓子の棚を漁り、好きなお菓子をこっそり食べているのを、実はパパは知っている。
甘いお菓子は美味しいし、ついこっそり食べてみてしまう気持ちはわかる。
そんなパパも、小さいときには同じようにお菓子を隠れて食べて、パパは君のばあばに怒られたものだ。
そんなパパだから強くは言えないのだけど、それでも今日は食について少し君と話したい。
君の身体はどんどん成長しているよね。
3年生に上がったときよりも明らかに身長は伸び、体重も3㎏は増えた。
その成長を支えているのはいろいろあるけど、主に栄養と睡眠だ。
しっかり食べて、しっかり寝る子はよく育つということだよね。
中でも食は、選択肢がたくさんあるため、何をどう食べるかはとても重要だ。
食べたものが、そのまま君の血や肉や骨になっていくのだから。
サッカーと身体
サッカー選手に求められるのはどんな身体だろう?
君の年代だと30分間、(だんだん大きくなるにつれ、
40分間、60分間、80分間、90分間、)走りきる持久力。
5m~30mを相手よりも速く走る俊敏性。
そのダッシュを10本でも20本でも同じ強度で繰り返せる俊敏性を伴う持久力。
遠くへ飛ばしたり力強いシュートを放つパワー。
そのパワーを最大限活かしたり、しなやかな動きを可能にする柔軟性。
相手に当たり負けしない筋肉量。
左右や上下だけといった片方だけに偏らないバランス。
ざっと考えただけで、これだけの要素が必要だ。
スポーツとは総じてある程度、複数の能力を求められるものだが、
中でもサッカーは満遍なく総合的な能力が求められるスポーツということが言える。
食事(タンパク質)と身体
これだけ多岐にわたる身体のいろんな能力を最大にするために必要なことは、
もちろんそれぞれを強化するための日々の練習なんだけど、
その練習の成果を身体に反映させるためにも、しっかりとした食事が欠かせない。
普段の練習の度に、実は筋肉は刺激を受けてほんの少しだけ傷つく。
その傷は栄養と休息を得ながら修復されるのだが、修復された際、前よりも少しだけ強く太くなっている。
それが筋肉の成長なのだ。
でも、その栄養が足らないと十分に修復してくれない。
せっかくの練習の成果が身体に反映されなくなってしまうんだ。
そんな事態にならないためにもしっかり食事を摂った方がよい。
筋肉を作ってくれる栄養素はタンパク質。
肉や魚、乳製品や大豆等に含まれるが、今はプロテイン製品などで手軽に手摂れるいい時代だ。
それらを毎食、できれば間食でも摂ることが理想だ。
君の盗み食い、飴やグミ、チョコレートではなく、小魚やプロテインバーなら喜んで食べさせたいと思うから、明日からどうだろうか。
食事(炭水化物)と身体
身体づくりとともに、もう一つ、身体を動かし続けるうえでのガソリン、エネルギーも大切だ。
特にサッカーの場合、長い時間走り続ける持久力が求められる。
走りきれるかどうかの持久力は、普段の持久力トレーニングだけでなく、
体内のエネルギーが持つかどうかにもよる。
試合前(できれば前日から)にはエネルギーを意識した食事を摂るようにしよう。
エネルギーに変わる食事は炭水化物と言われるものだ。
米や小麦、穀物やイモ類にも含まれる。
試合中はすでにエネルギーに変わったものでもよい。
スポーツドリンクやブドウ糖のラムネなんかは消化しやすい。
結局たくさん食べたもん勝ち
栄養の知識は少しずつつけていけばいいとして、
今は、とにかくたくさん食べることを意識しよう。
パパやママは少しは子供たちの栄養を考えて食事を用意しているつもりだ。
たとえ手を抜いても、最低限のバランスは意識している。
そんな食事、今はとにかくお腹いっぱい食べてほしい。
今はたくさん練習しているから、食べすぎの心配はない。
食べれば食べるほど、君の血や肉、そして骨になっていく。
成長期は、食べたものが身体の成長に直接反映されていく、わかりやすい時期だ。
たくさん練習して、たくさん食べて、たくさん寝る。
そして、それが上達にもつながる。
アシトはたくさん食べる習慣がついている。
その習慣が、セレクションで最後まであきらめなかった気力や体力につながったのかもしれない。
また、どんどん成長していくのを手伝っているんだと思う。
ただし、アシトも直後に花に怒られているが、試合前だけは少し食べる量と内容を考えよう。
今日から始める食事の習慣
・間食は、身体に良いものを食べよう
・それぞれの食事ではお腹いっぱい食べよう
・「これは身体を作る」「これはエネルギーになる」と食べる際に意識してみよう