たかすぎ

手紙や日記のようなもの。暗号で。

たかすぎ

手紙や日記のようなもの。暗号で。

最近の記事

おしまい

悲しい日々に意味があるなら この日のためにあったと思える。 彼方 君に歌う 違う雨の下 彼方 君に歌う 違う こんな僕の声が 消える街の隅 楽しい日々に意味が欲しいなら この日のためにあったと思える。 彼方 君を想う 同じ空の下 彼方 君を想う 同じ星の下 こんな僕らの笑い声が 舞う街の隅 さよならの合図 僕らだけの合図 靴でも飛ばして知らせて

    • 45.恐怖

      勇気があれば。 努力できれば。 環境があれば。 才能があれば。 そんなときばかり恐怖は優しく手を取る。 そんなときばかり恐怖は優しく背をさする。 優しい優しい恐怖はいつ頃に 崖の端で僕の背中を突き飛ばすだろう。 なにか1つと持たざるものには怒るだろうか。 優しく笑う。彼はその瞬間を待っている。 崖の端、どうせなら彼と手を取り合って落ちていこう。 優しい優しい恐怖と共に。 怯えなくても良いよと僕から。 次こそ僕から抱きしめよう。

      • 3.何処かに。

        今は何時なのかはっきりしないが、辺りは夜空の黒だけが降ってきたように暗く気を付けて歩かなくては転んでしまうかもしれない。案の定、真っ暗を歩いていると本当に転んでしまって久々に膝や手を擦りむいた。 立ち上がる気も起きず地面に座り込んで呆けていると途端に泣きたくなってしまって泣いてみた。 こんなに真っ暗な世界で涙は頬を伝い顎先から剥がれ落ちていったことしか感じられなかったが、地面に叩きつけられた雫は弾けた瞬間に小さな輝きを残している。意外と眩しいものだなと思って、立ち上がり泣きな

        • 44.かくれんぼ

          もういいかい。 まだだよ。 もういいかい。 探したような。探されたような。 どちらか忘れた。 どちらが君でどちらが僕だ。 もういいかい。 もういいよ。 どうでも。

          43.潮

          あの赤色はなんだっけ。 足元には空が広がる。 いつもみたいに白い雲だけ踏んで跳ねる。 お腹を開き歌う雛形。 首のない犬に首輪は付けれるだろうか。 見上げた大地に森がある。 少し摘んで食べてみた。 あの赤色はなんだっけ。 聖歌に揺蕩う祈りを見つけた。 怒号に隠れた寂しさが通り過ぎてから落っこちた。 知ってる。 海に浮かんだ星を握った。 掴んでみたら意外と暗くて驚いた。 寂しくなって投げ捨てた。 あの赤色はなんだっけ。 僕も持っていた気がするんだけれど。

          42.始発へ

          田舎の道を進む新幹線は静かな梅雨の稲妻みたいで。 行き先すらも知らない雷光。 知らせたがって散り散りになる雷鳴。 僕らが辿り着く終着駅はどこだろう。 それを知ってくれる人などとうに散り。 その終点は折り返し。

          41.拝啓

          君の無事を君の隣で知っていたい

          40.まぶたのうらで

          手を振るよ。振り返らないで。 見なくていいよ。気付かなくていいよ。 手を振るよ。振り返らないで。 いつまでも。どこまでも。 これからも。ここからも。

          40.まぶたのうらで

          39.勝敗

          急ぎ足 罠に転べば 絡まる有刺鉄線 痛みが流れ 傷を知る  解いてしまえば傷は歴史に 息を絶やせば土に還らん 踏みつけられたは土 語る口すら最早無く

          38.夏へ

          温度から逸れた銀色 遠くに浮かぶ積もる白色 澄み渡るというには深すぎる青色 握る手を離して迷子。 夏の欠片は手のひらに。

          37.ほつれた縫い目

          それでも私は君と過ごした短い夜と別れの言葉を針で止めていたい。

          37.ほつれた縫い目

          36.小春日和

          春に咲く花が、 春に咲き 春に枯れて良かった 穏やかで温かな日が生まれて散るまで それしか知らずに済むだろう。 あなたの心はどうであれ。

          35.Blue

          いつか来る終わりの日に 仰ぐ今日という日を 深く広がる青色に思えれば。

          34.風船ガムに宇宙

          風船ガムが大きく広がる 宇宙が広がった。 風船ガムが破けてしまった 宇宙が口へと吸い込まれた。 風船ガムを口の中にてこねくり回した。 宇宙は終わりを迎えた。 風船ガムを膨らませる。 宇宙が始まった。

          34.風船ガムに宇宙

          33.上へ

          何処からか流れた落葉は 重なれど交わらず 何処へ行くのか 何処へ消えたか せめて着く先に幸があればと願うばかりで

          32.愛し子を

          今はまだ小さい小さいその身体。 君の湿る手に指を置いたら掴んでくれる。 いつか離れる日が来るよ。 それまでどうか離さずに。 いつか離れる日が来るよ。 それまでどうか存分に。 その日が来ても愛せるように。

          32.愛し子を