43.潮

あの赤色はなんだっけ。
足元には空が広がる。
いつもみたいに白い雲だけ踏んで跳ねる。
お腹を開き歌う雛形。
首のない犬に首輪は付けれるだろうか。
見上げた大地に森がある。
少し摘んで食べてみた。
あの赤色はなんだっけ。
聖歌に揺蕩う祈りを見つけた。
怒号に隠れた寂しさが通り過ぎてから落っこちた。
知ってる。
海に浮かんだ星を握った。
掴んでみたら意外と暗くて驚いた。
寂しくなって投げ捨てた。
あの赤色はなんだっけ。
僕も持っていた気がするんだけれど。

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