読書感想文『イスタンブールで青に溺れる 』を読んで
この本は、発達障害者であり文学者である筆者が、欧州を旅して回った時の回想録です。
筆者はASDとADHDがあり、その両者の障害特性と付き合いながら、世界のあちこちの文化に触れる話です。
筆者は、色に対する強いこだわりや感覚過敏、過集中など、発達障害の特性と
ASDの人は、寒色系の色、主に青い色が好きだとよく言われており、そんな作者も青い色が好きでありその色に強いこだわりがあるみたです。
そんな自分も、青系の色が好きで絵やイラストの時はよく使う色だったので、そこに親近感が湧いてきました。
この本は、ウィーンや、イスタンブール、パリやスペインなどの各国の、伝統や文化、文学に触れています。
海外旅行は、行く機会が中々ない自分にとって、読んでいて知見を広げられ好奇心がそそられました。
そして、かつて、作者が学生時代、そこの大学で青春について色々悩んでそこで出会った友人らと話していく家に、文化の違いについて書かれています。
旅先で、発達障害からくる独特の感覚、性に対する衝動や、性自認、マイノリティーの感覚について深く考察し時には悩まれているようでありました。
発達障害のある人は、性自認や恋愛対象が一般と異なるみたいで、そんな自分も心の性が中性的で時に異性寄りになってしまうこともあります。恋愛対象も異性同性あやふやです。
なので、同じ発達障害当事者として親近感が湧いてきました。
発達障害のある人は、感覚が独特でマイノリティーな人が多いかと思います。
筆者は、マイノリティーとしての自分とどう向き合い、折り合いをつけてうまく付き合って生きていけば良いのか、奮闘しているように感じました。
そこに、孤独や苦悩があったと思います。
旅した国々の伝統や文化についての、作者の広くて深い知識や考察がを感じら、時にユーモアもあり同じ発達障害当事者として、彼に対して親近感が湧いてきました。
この本は、海外の人々の伝統や文化、慣習に対して視野を拡げることが出来、マイノリティーとしての当事者の繊細な気持ちが表現された、素晴らしい一冊です。