お父さんに愛されたかった。
インナーチャイルド。
それは、自分の心の中にいる19人の子どもたち。
実年齢よりも遥かに若く、そして幼い、成長がストップしたまま自分の中に住み続ける見えない存在。
私は、今日、大堀亮造さんが書かれた著書、
『父親から愛されなかったあなたへ』を読み、その存在を知った。
父親や母親が本来の親としての機能を果たしていない家庭、"機能不全家庭"で育った大人は、アダルトチルドレンと呼ばれるそう。
アダルトチルドレンに関する話は、↓の記事に書きました。
私は今まで、母親との関係性を見つめることに多くの時間を割いてきた。
実際、母親との関係性から愛着障がいを見つめ直すような著書は世の中に多いと感じる。
でも本書は、父親という存在がもたらす子どもへの影響を切り口にしてアダルトチルドレンについて語られている点が興味深い。
私は、ずっと"父親は私を愛していない"と思って生きてきた。
いくら勉強を頑張ってテストでいい点数を取っても、
ピアノのコンクールで受賞しても、
習字のコンクールで入選しても、
何を父に報告しても、ふーんといった反応で愕然としたのをはっきりと覚えている。
父は私という人間に興味がないのか?
いつしかそんな風に思うようになった。
根本的に自分に自信がなく、人の顔色を窺わずにはいられない私。
自分はどうしてこんなに生き辛いのだろう。
いつもそう思って生きている。
その答えになる部分が本書にはあった。
『父親から褒められた子供は自信をもつ』
私は、これだと思った。
私は父親に圧倒的に褒められなかった。
それどころか父親とまともに会話をしたこともなかった。
いつも父が何を考えていて、どういうことに喜びを感じる人間なのか、何も分からなくて、でもどうにかして知りたくて、精一杯父の喜びそうなことをやっていた子供時代を思い出す。
そうやって、親の顔色をいつも伺って、
子供の私にできるはずもないのに、
親の機嫌は私が直してあげなきゃ、と本気で思い込んで、
毎日もがいた。
その結果、自分の気持ちで行動することはなくなり、
いつも周りの人の機嫌を損ねないような選択、行動をする人間に私はなってしまった。
自分の心の叫び=インナーチャイルドを檻の中に封じ込め、ポジティブな感情だけを表面化させて生きてきた。
これがどんなに1人の人を生き辛くするか。
目の前に広がる景色から色を奪うか。
今の私はその壁に直面している。
お父さんから褒められたかった。
お父さんにもっと名前を呼んでほしかった。
お父さんが何を考えているのかもっと聞かせてほしかった。
お父さんともっと喋りたかった。
お父さんに私を見て欲しかった。
そんな、お父さんへの思いが、本書をきっかけに溢れ出した。
そして私は、お母さんだけじゃなく
お父さんとの関係性にも本当は深く悩んでいたことに気づいた。
固く閉ざされていた心の扉を開いた瞬間、涙が止まらない。
ああ、私はこんなに寂しかったんだ。
傷ついていたんだ。
どうしようもなく愛されたかったんだ。
そのことに気付けて、本当に、本当に良かったと思う。
これからまた傷を癒す長い旅が始まろうとしている。
でも私は、心に深く刻み込まれた傷を直視する苦しさを乗り越えたから、きっとこの先は大丈夫なんじゃないか、
今はほんの少しだけそう思える。
たくさん泣いて、たくさん吐き出して、たくさん悩んで
楽になろう。もっと、楽になろう。