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笑いと涙が同居する戦時下のファンタジー!映画「ジョジョ・ラビット」

ご存じですか?タイカ・ワイティティの世界が炸裂しているシュールな映画「ジョジョ・ラビット」。まず、何それって?思いますよね。
初々しい目線で生存について考えるこの新鮮な感覚は、映画をみると、味わえます。


「ジョジョ・ラビット」は、一見シュールな戦争コメディ。しかしそのタイトルには、深い意味が隠されています。加えて、監督タイカ・ワイティティの独特な作風、そしてアカデミー賞受賞歴など、見どころは満載!笑いと涙が織りなす物語の魅力に迫ります。




タイトル「ジョジョ・ラビット」の意味

物語の主人公である少年ジョジョ。彼が「ラビット(ウサギ)」と呼ばれるきっかけは、物語序盤のあるシーンにあります。ヒトラーユーゲントの訓練で、彼はウサギを殺すよう命じられるものの、優しさゆえにそれができません。その結果、「ラビット」というあだ名がつけられるのです。

この「ラビット」というあだ名が象徴するのは、ジョジョの純真さと臆病さ、そして彼の心に秘められた優しさ。戦争という過酷な環境で、強さが求められる中で、ジョジョは「優しさ」こそが真の強さだと気づいていきます。このタイトルには、そんな彼の成長と変化が込められているのです。

「ラビット」という言葉が、戦争の中でも「人間の良心」や「希望」を象徴するものとして描かれていることに気づいた時、このタイトルの深い意味に心を打たれるでしょう。


音楽が作品に与えた魔法

「ジョジョ・ラビット」のもう一つの魅力は、音楽のセンス!アカデミー賞の「作曲賞」にもノミネートされたマイケル・ジアッキーノによるオリジナルスコアが、物語のユニークなトーンを完璧に引き立てています。彼の音楽は、時には可愛らしく、時には切なく、そして壮大。映画の中での感情の起伏を見事に支えています。

さらに驚くのは、戦時中の物語でありながら、現代的なポップソングが挿入されている点です!たとえば、オープニングで流れるドイツ語版の「抱きしめたい(I Want to Hold Your Hand)」や、エンディングでのデヴィッド・ボウイの「ヒーローズ(Heroes)」。これらの曲は、少年ジョジョの感情や物語のテーマを象徴するだけでなく、時代の枠を超えた普遍的なメッセージを届けてくれます。この大胆な選曲には思わず感嘆!


タイカ・ワイティティ監督の風変わりな才能

この作品を語るうえで忘れてはならないのが、タイカ・ワイティティ監督の独特な才能です。ニュージーランド出身の彼は、これまで「ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル」や「マイティ・ソー バトルロイヤル」など、ユーモアと人間味にあふれた作品で注目されてきました。

特筆すべきは、彼自身がジョジョの妄想上の「ヒトラー」を演じていること!監督としてだけでなく俳優としても、この風変わりなキャラクターに命を吹き込んでいます。彼のヒトラー像は、歴史的な人物というより、10歳の少年の頭の中にいる滑稽で間抜けな存在。この大胆なアプローチに、タイカ監督のセンスと勇気を感じます。

タイカ・ワイティティの作風の魅力は、「ユーモアの中にある切なさ」です。笑わせながらも、いつの間にか深いテーマに引き込まれる――そんな体験を、この映画でも存分に味わえます。


映像美が作るユニークな世界観

また、映像美の観点からも、この映画は傑作です。戦時中のドイツという暗い時代設定にも関わらず、カラフルで鮮やかな映像が多用されています。特にジョジョが駆け回る街の風景や、母親と共に過ごす家の温かな空間は、どれも絵画のように美しい。

戦争の陰惨さを直接的に描かず、逆にシュールでポップな絵作りで表現することで、少年の純粋な視点が際立つ仕掛けです。このコントラストが、物語全体の雰囲気を唯一無二のものにしています。


母親役、スカーレット・ヨハンソンの名演技

スカーレット・ヨハンソンの母親役は、間違いなく映画の感動的な核でした。戦争の荒波の中で、彼女はジョジョに「愛」と「希望」を教える存在です。彼女の一挙手一投足が、母親としての優しさや苦悩を雄弁に語っていました。

特に、ジョジョとダンスをするシーン。たった数秒の動きの中に、「自由」の意味や、人生の喜びが凝縮されています。彼女がスクリーンにいるだけで、全てのシーンが輝きを増していく。アカデミー賞で助演女優賞にノミネートされたのも納得です!


人間の本質を問いかけるテーマ

戦争という悲劇的なテーマの中で、「ジョジョ・ラビット」が最も伝えたかったのは、「人間は憎しみだけで生きる存在ではない」というメッセージです。ジョジョは戦争の中で、母親や隠れ家の少女との交流を通じて「優しさ」や「赦し」の意味を学びます。そして、最後に彼が下す選択。その選択の意味は、私たち観客一人ひとりにも深く問いかけてきます。


「ジョジョ・ラビット」はただの戦争映画ではありません。笑いと涙、シュールさと感動が絶妙に融合したこの作品は、タイカ・ワイティティ監督の才能が存分に発揮された一本です。美しい映像や音楽、そしてスカーレット・ヨハンソンの名演技にもぜひ注目してみてください!

映画はこちらで購入いただけます。

ムララボは、劇場でみましたよ。
以上ムララボでした。

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