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完璧を求められるヒーローの苦悩/映画「マン・オブ・スティール」が描く現代の葛藤

ムララボです。ヒーローや推しのキャラクターに憧れる気分は、理解できますが、ヒーロー自身が自分をどう捉えているかは、意外にわからないもの。
そんなヒーローの自身の思いを描いた物語が映画となりました。ヒーローに共感できます。

映画「マン・オブ・スティール」に描かれるヒーロー像を心理学的に分析する視点はとても興味深いですね。ヒーローが「強くあること」や「無敵であること」を周囲から期待され、そのプレッシャーに苦悩する姿は、いくつかの心理学的概念と関連付けることができます。

1. 認知的不協和

ヒーローとしての「求められる自分」と、クラーク・ケントとして「ありたい自分」の間に矛盾が生じる状況は、心理学でいう「認知的不協和」に該当します。この状態では、人は自己の行動や価値観の不一致に不快感を覚え、その不快感を減らすためにさまざまな方法で調整を図ろうとします。例えば、彼はヒーローとしての役割を果たすために自分を犠牲にするか、逆に普通の生活を守るかの間で葛藤します。

2. 自己不一致理論

心理学者エドワード・ヒギンズが提唱した「自己不一致理論」も、このテーマを説明するのに適しています。この理論では、自己には3つの側面があります:

  • 実際の自己: 現在の自分

  • 理想の自己: 自分がなりたいと思う自分

  • 義務的自己: 周囲から求められる自分 クラーク・ケントは「理想の自己」と「義務的自己」の間で引き裂かれており、その不一致が彼の苦悩の根本原因となっています。

3. 社会的役割と認知バイアス

「ヒーロー=無敵」という期待は、社会的役割とステレオタイプ(認知バイアス)から生じています。人々は、ヒーローには常に正しく、強く、困難を乗り越える存在であってほしいという固定観念を抱きます。しかし、この期待が強すぎると、ヒーロー自身が「弱さを見せること」や「普通であること」に罪悪感を感じることがあります。

4. 現代社会との関連

今の時代、SNSや職場などで「こうあるべきだ」という期待に悩む人が増えています。特に「完璧さ」が求められる状況では、自己の本来の姿を受け入れることが難しくなり、精神的な負担が増す傾向があります。「マン・オブ・スティール」が描くテーマは、こうした現代人の普遍的な苦悩を映し出しているとも言えます。

まとめ

「マン・オブ・スティール」は、単なるスーパーヒーロー映画ではなく、心理学的な葛藤や自己探求の物語としても楽しめる作品です。この映画が時代にフィットしている理由は、ヒーローが完璧さを求められながらも、人間的な弱さや葛藤を抱える姿が、現代社会の私たち自身の姿と重なるからでしょう。

映画はこちらから見ることができます。




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