「オットーという男」が教えてくれた、現在に生きる大切さ
こんばんは。ムララボです。
映画「オットーという男」(原題:A Man Called Otto)は、2022年に公開されたアメリカのドラマ映画で、スウェーデンの小説「A Man Called Ove」を原作としています。以下はそのあらすじです。
オットー・アンダーソン(トム・ハンクス)は、妻を失った悲しみから人生に対して厭世的になっている退職した男性です。彼は近所の人々に対して冷たく、孤立して生きています。オットーは妻の死後、何度も自殺を試みるが、何らかの理由でいつも失敗してしまいます。
そんなオットーの生活に、ある日、新しい隣人である妊娠中の女性マリソルとその家族が引っ越してきます。マリソルは明るくて心優しく、オットーに対しても親切に接します。最初は彼女に対して冷淡だったオットーも、次第に彼女の人間性に触発され、少しずつ心を開いていきます。
マリソルとその家族との交流を通じて、オットーは再び生きる意味を見出し、周囲の人々との関係を修復していきます。彼の厳格さや頑固さの裏には深い愛情や優しさが隠れており、それが次第に明らかになっていきます。最終的に、オットーはコミュニティの重要な一員として再び生きる活力を取り戻します。
この映画は、悲しみや孤独に直面したときの人間の再生や、他者との絆の大切さを描いています。トム・ハンクスの演技が高く評価され、感動的な物語が多くの観客に共感を呼びました。
映画「オットーという男」を観て感じたことを以下にまとめます。
主人公のオットーは、喪失感から自虐的な行動をとるようになります。彼はわがままで、人生の苦しさをよく知っている人物です。人生が苦しいと感じると、その苦しみがさらに増すことを示しています。また、人間は年齢を重ねると過去を思い出すことが多くなり、未来に対して失望することも少なくありません。
これらの心の変化は、年齢を重ねることで誰しもが経験するものです。
オットーは、まったく違う境遇の隣人と出会って、その駆け引きのない無垢さに触れ、もともとあった人同士のきずなにような心のよりどころを取り戻したのでしょう。いなくなった妻との間にあった絆と似たそれを。
人は苦しくても、目の前のことに集中することで、置かれている状況に悲観することを一瞬でも忘れ、過去に囚われることもなくなります。
だいぶ前に、行動心理学のポッドキャストで聞いたことを思い出しました。「動物は、身の危険を感じて逃げたあともその場所に戻って涼しい顔して水飲み場に戻ってくる。動物は、今目の前のことしか感じていない。未来はどうかわからないが、過去を振り返るような行動をとることもない。人間のように、未来や過去に囚われることがないからです。」と。
喪失感を忘れて現在の自分にだけに集中することは、精神衛生上、もっと言いますと、生きていくために非常に重要であると…不思議なことに、腹落ちしてしまったのです。
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