ズバンといかしたアイツだぜ。「ドカベン」
閲覧ありがとうございます。今日は、野球漫画の金字塔「ドカベン」のコレアレを書いておこうと思います。ドカベンは、父親が好きな漫画です。うちの漫画部屋には、ドカベンが揃えてありますが、
高校野球編しか、わたしは、読んでません。
プロ野球編もある、野球漫画の大河的な作品です。
度々、本物のプロ野球選手が登場もしたそうですから、野球ファンには、たまらなかったと思います。
先ず、主人公から素晴らしい。ナイスチョイスです。
見るからに、人の良さそうな顔。ずんぐりむっくりなスタイルは、庶民からは、笑顔で受け入れられるでしょう。これが、背が180以上の爽やかイケメンだったら、「できて当たり前でしょ」的な、アンチが出現する可能性があったでしょう。
しかも、おうちは、おじいちゃんが経営する畳屋さん。あまり、裕福とは言えず、小さな妹とおじいちゃんをだいじにする好青年。
「ドカベン」という題名からして、山田くんのお弁当箱は、めちゃくちゃラージです。クラスメイトの男・岩鬼くんも、山田くんのドカベンぶりには咥えた葉っぱが揺れるほど、驚きます。
山田くんは、最初から、野球部には入りません。是非ともと頼まれて柔道部に入ります。男・岩鬼くんも一緒です。山田くんは、柔道部でも活躍しますが、やがて本丸の野球部に入部します。
わたしがドカベンを好きなのは、明訓野球部のメンバーが、必ずしも一般的に野球に向いているとは言えない体型、特技を持つにも関わらず、大きな敵に、挑んでいくストーリーだからです。
特に好きなのは、ピッチャーの「小さな巨人、里中くん」
里中くんも、家があまり裕福とは言えず、家の為に高校を辞めたりもして、わたしはサポーターの気分になりました。クラウドファンディングを立ち上げてあげたい!と、思ったのは、私だけではないと思います。
そして、もう一人は、不動の二番打者の殿馬くんです。殿馬くんも、背こそ低いですが、ピアノという凄い特技を持ち、その抜群のリズム力で二番ながらも、ホームランをかっ飛ばします。彼が打席に立つと、「何か、やってくれるのでは」というワクワク感があります。
今の甲子園ならば、審判から、厳重注意されるであろう、殿馬くんのユニフォームの着こなしです。
今の野球漫画の登場人物は、みんな、小綺麗です。
ヘアスタイルも、サロンでチョキチョキしてるのだろうなという印象を受け、近寄ったらコロンのにおいがしそうだし、みんな、「普通」の高校生が、努力したり、持って生まれた才能を生かし、甲子園を目指し、ライバルたちと、切磋琢磨します。読んでいるこちら側も、
「わかる、わかる、」と、感情移入してしまいます。より、「リアル」に近くないと、現代の読者を感動はさせられないからです。それだけ、読者の目は厳しく、シビアになっていると思います。
昭和の漫画、ドカベンでは、ライバル選手たちも、ぶっ飛んでいます。
明訓の地区予選で当たる、ライバル高校の不知火くんです。帽子を片目だけ、出すように、自分オシャレか、アレンジしています。このスタイルは、当時の野球少年でマネした子が続出したそうです。我が父親も、マネしたそうです。
不知火くんは、目標は「甲子園」では、ありません。「明訓を倒すこと」。三回しかない夏の甲子園へのチャンスより、明訓を負かすことに努力すると名言していますが、ほんとに辞退するかは、保護者会やOB、他の選手も、黙ってはいないと思いますから、実際のところは、わかりません。
そして、岩手県代表の弁慶高校。
修行のため、代表に選ばれても、歩いて甲子園球場を目指します。
水島新司先生の描く、野球漫画は、選手がみんな、
泥臭く、汗にまみれて、「野球」のために、真剣勝負。だけど、それぞれに、ドラマがあり、根底には
野球への「愛」、または、友情、家族の絆があるんだよ。というメッセージが作品から伺えます。
「えー!マジかー!」、という人物をサラッと描き、いつの間にか、こちらも、受け入れてしまっているマジックは、凄いなぁと思います。
いろいろな特性を持った選手が、次々と出て来て、
地区予選から、甲子園まで、読者を飽きさせません。これも、長くファンから愛される理由だろうなと思います。
野球漫画「ドカベン」
夏の甲子園が近くなると、読み返したくなる
作品です。