認知症?と感じたら行うチェックリスト
はじめに
認知症は、高齢者の中で増加している病気の一つです。しかし、突然の物忘れや日常生活の一部での異変は、必ずしも認知症の兆候とは限りません。それでも、親や身近な人が少しでも変わった様子を見せたとき、多くの人は「もしかして認知症?」と心配になることでしょう。
この記事では、そんな「認知症?」と感じたときに、まず日常の生活環境から症状のヒントを探る方法をご紹介します。親の生活環境の変化や、気をつけるべきポイント、さらには専門の外来を受診する際の注意点など、具体的なアドバイスを交えて解説していきます。認知症の早期発見や適切な対応のための手助けとして、ぜひ参考にしてください。
1. 親の生活環境のチェックポイント
家の中の整理整頓の状況
親の家が乱雑になってきた、物が散らかっている、探している物が見つからないなどの状況は、認知の変化のサインかもしれません。
食事や服薬の管理
食事の準備や服薬の管理がうまく行っていない場合、日常生活の自立度が低下している可能性が考えられます。
外出の頻度や行動範囲
以前よりも外出の頻度が減少したり、行動範囲が狭くなっている場合、外の環境に対する不安や恐れがあるかもしれません。
ゴミの分別
ゴミの分別ができなくなっている場合、日常生活の一部がうまく行っていないサインです。
請求書や督促状の確認
税金や光熱費などの請求書や督促状が溜まっている場合、金銭管理が難しくなっている可能性があります。
部屋のカレンダーの確認
部屋のカレンダーが古いままになっている場合、時間の感覚に問題があるかもしれません。
薬の服用状況
薬の服用が適切にできなくなった場合、健康管理が難しくなっているサインです。
冷蔵庫の中身の確認
冷蔵庫に消費期限切れの食材や腐った食べ物がある場合、食事の管理が難しくなっている可能性があります。
2. 認知症かもと思ったら気をつけるポイント
繰り返しの質問や話
同じ質問や話を繰り返すことは、記憶の問題がある可能性を示唆しています。
日常のルーチンや予定の忘れ
日常のルーチンや予定を忘れることが増えた場合、注意が必要です。
感情の変動や無関心
急な感情の変動や以前興味を持っていたことへの無関心は、認知の変化のサインとなることがあります。
物の名前が出てこない
日常的な物の名前が出てこない、言葉を選ぶのに時間がかかるなどの症状が見られる場合、注意が必要です。
時間や場所の認識の喪失
現在の時間や場所が分からなくなることがある場合、認知症の初期症状の可能性が考えられます。
日常生活の困難
以前は問題なくできていたことが難しくなる、例えば料理中に手順を忘れる、買い物の際にお金の計算ができないなどの症状が見られる場合、認知症のサインかもしれません。
判断力の低下
状況に応じた適切な判断が難しくなる、例えば交通ルールを守れない、お金の管理が難しくなるなどの症状が見られる場合、認知症の初期症状の可能性が考えられます
3. 物忘れ外来に行くときのチェックポイント
いつ頃具体的に認知症と思われる症状が見られたかまとめておく
症状の発現時期や変化の経緯を医師に伝えるため、具体的な日時や状況をまとめておくことが重要です。
親の様子がおかしかったのはいつごろかまとめておく
親の様子が変わったと感じた瞬間や、それに続く変化を具体的に記録しておくことで、医師とのコミュニケーションがスムーズになります。
現在服用している薬を確認する
薬の副作用や相互作用が認知症の症状を引き起こすことがあるため、現在服用している薬の一覧を持参することが推奨されます。
介護保険の申請をしているか確認する
介護保険の申請状況やサービスの利用状況を医師に伝えることで、適切なサポートやアドバイスを受けることができます。
診療日に口頭で伝えると齟齬が発生する可能性があるため、一枚の紙にまとめておく
伝えたい情報や疑問点を一覧にして、診療時に医師に提示することで、情報の齟齬を防ぐことができます。
まとめ
認知症の疑いがある場合、早期の発見と適切な対応が非常に重要です。親や身近な人の日常の生活環境や行動の変化を注意深く観察し、異変を感じたらすぐに専門家の意見を求めることが大切です。この記事で紹介したチェックポイントや注意点を参考に、認知症の早期発見と適切なサポートのための一助として活用してください。そして、何よりも大切なのは、認知症の疑いがある人を温かくサポートし、その人らしい生活を守ることです。家族や関係者との連携を深めながら、最善のケアを心がけましょう。認知症介護でお困りの方向けにオープンチャットをご用意しましたので、お気軽にご相談ください。