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【通勤映画館】アバウト・ア・ボーイ|心の孤島に住む男が少年と出会う


イギリスが生んだ名優ヒュー・グラントは、今ではお茶目なイケオジですが、「ロマンティック・コメディの帝王」なんて呼ばれていますね。『ラブ・アクチュアリー』『ノッティングヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』など出演作は多数存在しますが、私の一押しは『アバウト・ア・ボーイ』(2002年)です。


ヒュー・グラントのファンでなくてもおすすめ


12歳の少年マーカスは、情緒不安定で自傷癖のある母親との二人暮らし。母親がまたも自殺未遂を試みたことから「二人じゃ足りない。もう一人必要だ」と親子の小さな幸福のためにその「もう一人」を探しはじめます。

マーカスが目を付けたのがヒュー演じる38歳のウィル。ウィルは亡き父が作曲したクリスマスソングの印税で暮らす無職の独身男。自らの生活を「イビサ島」と名付け、自由気ままで優雅な独身生活を満喫しています。

シングルマザーと付き合うと後腐れがないことに気づき、自らを2歳児をもつシングルファーザーと偽って交際相手を物色しはじめたウィル。ヒューが演じていなければただのクズですね。

ウィルが築き上げた「イビサ島」生活。イビサ島とはスペイン領の小島ですが、風光明媚で人気のリゾート地。孤立しているが魅力にあふれ、不足がない状態、ということでしょうか。

ウィルの「イビサ島」に異変が

そのイビサ島にマーカスが乱入。マンションの呼び鈴を連打してウィルの日常に侵入すると、放課後には必ず立ち寄ってお菓子を食べ、ワイドショーを鑑賞する日々を送ります。ちなみにウィルは子供が苦手(だって理解不能だから)。マーカスに根負けしたウィルが呼び鈴を押される前にドアを開けるシーンは、この映画を象徴する微笑ましいシーンでした。

イビサ島の住民が二人になり、ウィルの心境にも変化が起こります。マーカスにスニーカーをプレゼントすると、今までに感じたことのない高揚感を覚えます。彼は次第に、他者への思いやりに目覚めていくのです。ハートウォーミングないい展開でしょ。

ちなみにいじめられっ子のマーカスはこんな感じ(下)。この帽子がイギリスっぽくてチャーミングだと思いません? 

マーカスをニコラス・ホルトが好演

ウィルのスマートで優雅な独身生活も実は見どころ。エスプレッソマシンやジューサーが並んだキッチン、お風呂ではシャンパンを飲みながら読書、高級車でドライブ、エステに美容院。衣装もかなり決まってます。この映画、私はたぶん2回観たけれど、いつかまた3回目を観ることになるに違いありません。

放課後のひととき/【About a Boy】
【About a Boy】

【通勤映画館】毎日の通勤は片道50分。車内では映画かドラマを観ています。通勤時間が映画鑑賞、通勤手段が映画館。


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