【作品#48(44・45の間)】「愛のある場所」『恋愛 コレクションⅡ』より
こんにちは、三太です。
3連休最終日ですね。
最近、スマホの画面の一部が反応しなくなりました。
LINEを送るときなど、わざわざ横画面にしないといけない状況でとても不便です。
早くなんとかしたいと思っている今日この頃です。
では、今回は吉田修一さんの個人全集全四巻の二巻目にあたる『恋愛 コレクションⅡ』の単行本未収録作「愛のある場所」を読んでいきます。
初出年は2007年(12月)です。
これまで紹介した作品で言うと「紙吹雪」と「命綱」の間に書かれた作品です。
文藝春秋の『恋愛 コレクションⅡ』で読みました。
あらすじ
20代後半と思しき女性が語り手。
居酒屋で出会った彼氏、ケンジがその居酒屋のママ、閻魔ちゃんの家に入り浸ってしまいます。
ケンジを呼び戻しに閻魔ちゃんの家に行くのですが、女性には実は別の男の影がありました・・・。
ある女性が恋愛を通して「愛のある場所」とはどのような場所かを知る物語。
単行本未収録の作品
出てくる映画(ページ数)
①「愛の讃歌」(p.152)
今回は1作ありました。
感想
10ページぐらいのお話なので、すぐに読めました。
何よりもこの話の注目点は閻魔ちゃんでしょう。
これには本当に驚きました。
これまでは吉田修一さんのデビュー作『最後の息子』や『春、バーニーズで』にしか出ていないと思っていたので、こうして単行本未収録の作品に書かれていて、こちらとしては「閻魔ちゃん、発見!!」という感じでした。
やはり重要キャラでしたね。
閻魔ちゃんは20代からしたら、一段階上にいる気がするので、先達役として適任なんでしょう。
中学校で国語教師をしている自分として嬉しかったのは、魯迅「故郷」の有名な言葉を閻魔ちゃんが引用するシーンです。
語り手の女性が閻魔ちゃんの店にいったときに閻魔ちゃんに言われるセリフで、
というのがあります。
「もともと地上に・・・道となるのよ」の部分が「故郷」を踏まえています。
ちなみに、「故郷」はこんな感じです。
閻魔ちゃんの存在感が抜群な作品でした。
道語る閻魔ちゃん持つ濁り酒
以上で、「愛のある場所」の紹介は終わります。
閻魔ちゃんの登場がとても嬉しかった作品でした。
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。