【映画#116】「喜劇・駅前女将」『国宝』より
こんにちは、三太です。
noteを始めて2年が過ぎ、3年目に入りました。
これまで「週に2回、月・金に投稿する」ということを自分の中の暗黙のルールとしてきました。
この暗黙のルールはほぼほぼ達成できたので良かったです。
ただ、最近感じていたのは少し余裕がなくなってきたということでした。
余裕がないというか、遊びがないというか、投稿にめちゃくちゃ追われているわけではないですが、他にやりたいこと・読みたい本がどんどん積まれていっている感じになっていました。
この状態はあまり良くないなと思い、新年度に入ったということで「週に1回、月に投稿する」に変えようと思います。
また余裕があるときには金にも投稿するということで、しばらくは週1で生活を軌道に乗せていこうと思います。
では、今日は『国宝』に出てきた「喜劇・駅前女将」を見ていきます。
『国宝』に出てくる映画3作のうちの1作目です。
基本情報
監督:佐伯幸三
出演者:森田徳之助(森繁久彌)
伴野孫作(伴淳三郎)
伴野次郎(フランキー堺)
松島景子(淡島千景)
足立藤子(淡路恵子)
森田満子(森光子)
上映時間:1時間29分
公開:1964年
あらすじ
東京・両国の駅前を舞台にした人情味溢れるコメディ映画。
駅前女将というタイトルではありつつ、どちらかというと物語を動かしていくのは両国の男達。
𠮷良屋という酒屋の店主、徳さん。
孫寿司という寿司屋の旦那、孫作。
二人がBar凱旋門のママにうつつを抜かすところから物語は始まります。
そこに20年ぶりに大阪から両国に景子という女性が帰ってきます。
昔、景子と何かしらあったらしい徳さんが景子の居酒屋の開店のお手伝いをすることに。
でも、そんな男たちの遊びを妻である女将たちは黙って見ているわけはありませんでした。
設定
・両国
・浮気
・お相撲さん
感想
物語はいきなり始まった感があり、誰がどういう人物で、どのような関係にあるかなどは見ながら掴んでいく必要がありました。
ちゃんとわかりきったのかは不安なところもありますが、徳さんの義兄が孫作なのだと思います。
つまり、徳さんの妻、満子の兄だということです。
そして寿司屋で修行をしている次郎は、孫作と満子の弟。
ただ、その次郎を徳さんと満子が養子にして跡を継がせようとしていたのは少し謎でした。
もしかして次郎は違ったのかな。
徳さんと孫作の浮気心、下心がユーモアに包まれ両国で発揮されつつ、結果的には誰も傷つけず、周りの人を幸せにしていくのは不思議でした。
例えば、徳さんはBar凱旋門のママにダブルベッドをプレゼントするのですが、その証明書みたいなものが家に届いて、満子にばれてしまいます。
ただ、それで破局に向かうかというとそうでもなく、なんとかごまかしてやり過ごします。
まあここらへんは確かにコメディだなといった感じです。
両国という場所を舞台にしているだけあって、町内に相撲道場ができるというくだりも出てきます。
それに関わって現役の力士も4人登場し、孫寿司に食べに来ます。
そして徳さんが「おごるわ」といった感じでえらぶるのですが、もう少し若い衆も増えて10人ぐらいになり食べまくるのでお会計にビビッて逃げ出す徳さんの姿は笑えました。
両国の親父の不徳春の宵
その他
・ウィキペディアより
→『駅前シリーズ』第7作。
→だから、「いきなり始まった感」があったんですね。
→佐田乃山(後の第50代横綱)・栃ノ海(同・第49代横綱)・栃光(当時・大関)・出羽錦(当時・前頭。後にタレントとしても活躍する田子ノ浦親方)といった力士たちがゲスト出演する。
→同時上映は成瀬巳喜男監督の「乱れる」
『国宝』内の「喜劇・駅前女将」登場シーン
「喜劇・駅前女将」が出てくるのは、徳次が鑑別所送りになる理由が明らかになるシーンです。
映画を見ようとしたときに、学ラン集団と乱闘となり、徳次が喜久雄の身代わりとなって捕まるのです。
映画については、ちょうど『国宝』の物語内の時間の流れが1964年で、「喜劇・駅前女将」の公開も1964年と合致します。
その辺りの細かい時代設定も合うように、映画は登場しています。
吉田修一作品とのつながり
・『国宝』にも荒風・大雷など関取(お相撲さん)が登場します。
特に、大雷は喜久雄の娘にとって重要な人物となります。
以上で、「喜劇・駅前女将」については終わります。
両国の人たち全員が家族のような映画でした。
それでは、読んでいただき、ありがとうございました。