【映画#65】「好奇心」『あの空の下で』より
こんにちは、三太です。
年度初めは毎年バタバタと忙しいです。
今年はそれを特に感じています。
ただ、少し落ち着いてきた感じもします。
GWまでもうひと踏ん張りだなと思っている今日この頃です。
では、今日は『あの空の下で』に出てきた映画、「好奇心」を見ていきます。
『あの空の下で』に出てくる14作の・・・と思っていたのですが、実はこのnoteを書くために短編「好奇心」を読み直していたら、実は「東京タワー」は映画ではなくて、本でした・・・。
そのため『あの空の下で』に出てくる13作の映画のうちの9作目ですと訂正したいと思います。
「東京画」との間には「恋する惑星」と「恋恋風塵」が出てくるのですが、こちらは既出でした。
基本情報
監督:ルイ・マル
出演者:ローラン・シュバリエ( ブノワ・フェルー)
母(レア・マッサリ)
父(ダニエル・ジェラン)
音楽:チャーリー・パーカー、ガストン・フレーチェ、アンリ・レナウド
上映時間:1時間52分
公開:1971年
監督のルイ・マルは「死刑台のエレベーター」の監督でもあります。
あらすじ
舞台は1954年の春、フランスのある地方都市ディジョン。
そこに住むローラン・シュバリエという15歳の少年が主人公。
彼は婦人科医の三男坊で、どちらかというと良いところの坊ちゃんといった風情。
しかし、子育てに無関心な父(おそらく不倫もしている)、優しく接してくれるけれど絶賛不倫中の母のもと、少し生活は荒れています。
そんなところに二人の兄、トマとマルクがたばこ、酒、そして女をローランに吹き込んできます。
そうやって背伸びをして色んな(どちらかというと)悪さを覚えていくローランにある病気が見つかります。
病気の治癒のために鉱泉が出るホテルへ両親と向かいます。
父は早々と家に帰り、大好きなお母さんと二人っきりに。
ただ、お母さんは不倫相手にも会うことになって・・・。
家族の絆はどうなるのでしょうか。
家族にあるいは社会に翻弄される若者が描かれる映画です。
設定
・背景に仏印の独立戦争
・格差婚
・少年から大人へ
感想
BGMに流れるジャズ、おそらくそれはチャーリー・パーカーのジャズなのですが、とてもかっこよかったです。
これだけで映画が引き締まる感じがしました。
ローランは良いところのボンボンでけっこう本も読んでいます。
例えば、『星の王子さま』『O嬢の物語』、あるいはゲーテの作品など。
ジャズの音楽に加え、こういった文学作品がこの作品に彩りを与えていると感じました。
やはりこの映画の見どころはローランの母の魅力だと思います。
ローランの父はフランス人ですが、母はイタリア人です。
母には女性としての魅力があり、ローランも母というよりも友達以上恋人未満みたいな関係となっていきます。
そしてそれを受け入れることができる母でもあります。
最後のオチは唐突ではありましたが、まとまったなといった感じはありました。
「好奇心」というタイトルが何を意味するのか、判然としないのですが、ローランにとって大人になっていくための様々なものに対する好奇心ということなのかなと思いました。
北窓を開いてジャズと文学を
その他
・ウィキペディアより
→母に愛人がいると知った思春期の少年の物語。
『あの空の下で』内の「好奇心」登場シーン
短篇のタイトルの一つとして出てきます。
吉田修一が書いた「好奇心」は麻美という語り手が、東京で初めて一人暮らしをする息子の高志のもとを訪れたことを振り返る話です。
高志は表では母がベタベタしてくることをよく思っていない風で、少し冷たい態度。
でも、やはりせっかく来てくれた母をもてなしたい気持ちもあるらしくて、東京の案内をしてくれることに。
最後に少し母、麻美と高志が通じた感がありました。
映画との共通点としては「母と息子の関係を描く」ということが挙げられると思います。
ただし、短篇は「母視点」ということと「はじめ母子の思いにはずれがある」ということが映画との違いだと思いました。
吉田修一作品とのつながり
・同性愛
・少年から大人へとなっていく過程(『長崎乱楽坂』など)
以上で、「好奇心」については終わります。
それでは、読んでいただき、ありがとうございました。
画像の出典:Amazon「好奇心」
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