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【映画#59】「さよなら渓谷」

こんにちは、三太です。

来年度に向けての準備をボチボチ進めています。
先日ひとまず国語の授業の成果と課題を考えてみました。
来年度はもう少し研究と実践をつなげていきたいと思いました。
あとは生徒アンケートで「わかった!」という実感が乏しかったこともわかったので、その点も頭に入れて授業をしていきたいと思っている今日この頃です

では、今日は映画「さよなら渓谷」を見ていきます。
吉田修一の同名小説を原作としています。

基本情報

監督:大森立嗣
出演者:尾崎かなこ( 真木よう子)
    尾崎俊介(大西信満)
    渡辺一彦(大森南朋)
    小林杏奈(鈴木杏)
    渡辺の妻(鶴田真由)
上映時間:1時間57分
公開:2013年

あらすじ

渓谷のある町で起こった幼児殺害事件。
その幼児(と母)が住んでいた市営住宅の隣の部屋に住む尾崎俊介とその妻、かなこ


                                                                  かなこと尾崎俊介

その男女に隠された過去。
幼児の母と関係を持っていたのではないかと疑われる俊介。
幼児殺害事件の真相を追う中で、男女の過去に気付いた記者の渡辺と部下の井上。


                                               渡辺と小林

そして、実は渡辺も家庭内での問題を抱えていました。
俊介とかなこに隠された過去とは。
渡辺は事件を通して、どこにたどりつくのか。

設定

・実際にあった事件が題材
・勝利至上主義の弊害
・舞台は渓谷

感想

見終わって、小説が本当にそのまま映画になっている印象がありました。
『さよなら渓谷』の文庫解説で映画監督の柳町光男さんがおっしゃっていた「私が読んだ吉田修一の小説の中で一番映画を感じた小説である」(p.240)というのがこの印象に関わるのかなと思いました。
まさにそのまま映画になったと。

俊介とかなこがお互いを激しく求め合うシーンが冒頭にあるのですが、とても官能的でなかなかすごい演技だと思いました。

回想シーンである事情からこの二人がひたすら微妙な距離感で歩き続けるシーンがあります。
けっこうこのシーンが長く続きます。
映画的には一見退屈なシーンのようにも思えるのですが、二人の関係性を考えたときに「時間」が必要だということは表現せざるを得ないのだとも思いました。
そして、二人がずっと何かを抱えている感じの演技も良かったです。

この距離感ひたすら歩く春の暮

その他

ウィキペディアより
→真木よう子にとっては『ベロニカは死ぬことにした』以来、7年ぶりの単独主演作となる。
(中略)難役だったため、引き受けるには迷いがあったというが、作品自体に魅了されたことと、この役を他の女優に渡したくないという気持ちからオファーを受諾。
演じるには女性としての覚悟が必要だったが、松田翔太や瑛太、松田龍平など大森監督を知る俳優仲間から前評判を聞いていた大森組という本当に信頼できるチームと撮影に臨めたこと、固形物を見ると吐くという状態になるくらい過酷な撮影の中でも支えてもらっていることの幸せが倍に感じられたことで乗り越えられたと振り返っている。

→大森南朋の兄が監督の大森立嗣。

吉田修一作品とのつながり

感想でも書きましたが、本当に小説がそのまま映画になっている印象でした。
もちろん小説の方が情報量は多いですが、ポイントがしっかり映像化されていました。

以上で、「さよなら渓谷」については終わります。
小説をもう一度映画で味わえたような体験でした。

それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

出典:映画ドットコム「さよなら渓谷」  

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