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【作品#55(15・16の間)】「台北迷路」『長崎 コレクションⅣ』より
こんにちは、三太です。
期末考査が終わり、成績処理もして、2学期も残すは通知表作成、面談、そして終業式といった時期です。
バタバタと忙しい時期なのですが、色々と小さな行事も重なって、忙しさが倍増しているような気がします。
とりあえず終業式まで見通して、日々をきっちりと過ごしていきたいと思っている今日この頃です。
では、今回は吉田修一さんの個人全集全四巻の最終巻にあたる『長崎 コレクションⅣ』の単行本未収録作「台北迷路」を読んでいきます。
初出年は2004年(12月)です。
これまで紹介した作品で言うと『7月24日通り』と『ひなた』の間に書かれた作品です。
文藝春秋の『長崎 コレクションⅣ』で読みました。
あらすじ
小説家の道彦と彼女の泉。
二人が訪れた台湾の夜市。
夜市で泉が見つめていた男。
その男と泉の5年前の出会いと五日間の台湾での日々。
その二人の関係に焦れる道彦。
道彦が彷徨う台湾。
単行本未収録作。
出てくる映画(ページ数)
今回は1作もありませんでした。
感想
恋愛に悩む様子が迷路にはまっていく感じにたとえられていて、なるほどなという感じでした。
このように書いてしまうと、一見ありふれたたとえのような感じですが、その恋愛の悩みが「想像できるんだけど、特別な感じ」で、その点がこの短編ならではでした。
また、書かれた年(2004年)から考えるに『路』(2012年)の原型のような感じがしました。
『路』の春香とエリックの台湾での出会いも、泉と男との出会いとほぼ同じでした。
もしかしてこの「台北迷路」が熟成されて『路』に繋がっていたとするなら、それはとても面白いつながりです。
以前何かの記事で、吉田修一さんは似たような(設定の)登場人物を何度か小説に出すという話をされていて、あながちこの予想も間違ってはいないのかなと思ってしまいます。笑
元彼と恋の迷路へ冬の夜
以上で、「台北迷路」の紹介は終わります。
一見よくありそうで、でも特別さも感じる作品でした。
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。