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【映画#85】「桜桃の味」『空の冒険』より
こんにちは、三太です。
学校はお盆休みに入りました。
この時期は学校自体が閉鎖するので、勤務することはありません。
日頃の疲れを癒し、お盆以降に向けて英気を養っていきたいと思っている今日この頃です。
では、今日は『空の冒険』に出てきた映画、「桜桃の味」を見ていきます。
『空の冒険』に出てくる17作の映画のうちの12作目です。
基本情報
監督:アッバス・キアロスタミ
出演者:バディ(ホマユン・エルシャディ)
バゲリ(アブドルホセイン・バゲリ)
上映時間:99分
公開:1997年
あらすじ
場所はイランの首都テヘラン。
車に乗り、人探しをしている男性バディ。
![](https://assets.st-note.com/img/1691702144792-jbKGMmvy3U.jpg?width=1200)
どうやら彼が探しているのは自分の自殺を手助けしてくれる人のようなのです。
しかし、なかなか良い人が現れません。
兵役途中のクルド人の少年にも、アフガン人の神学生にも自殺の手助けを断られます。
そして、ある男性(といってもほぼおじいさん)がついに引き受けてくれるのですが、この男性が車の中で語る言葉を聞き、バディの心は・・・
設定
・砂埃
・貧しさ
・同じところを行ったり来たりするロードムービーのよう。
感想
ほとんど説明がなく、主題を捉えるのが難しい映画でした。
貧しい街のことを言いたいのかな、虐げられている民族のことを言いたいのかな、アフガニスタンの戦争のことを言いたいのかなと色々と考えさせられます。
おそらくこれらはいずれも包含されるのかもしれません。
またバディについてもよくわからないところが多いです。
そもそもなぜ死のうとしているのかも背景はほとんど描かれないまま。
そんなこともあってか、私が話をつかめてきたのも映画が始まって45分が過ぎた頃ぐらいです。
少し私が鈍いということもあるかもしれませんが・・・。
少なくとも見るものに解釈の余地を大きく残した映画とは言えそうです。
筋だけを捉えようとすると、本当に簡単で「自殺しようとしている人が車に乗って、その自殺を手助けしてくれる人を探す」話と言えそうですが、その周りには色んなメッセージを見ている人が読み取れるような仕掛けがあるのかなと思いました。
ただ、このメッセージを読み取れる人と読み取れない人ではこの映画の良さは大きく変わりそうです。
桜桃の味力説す剥製師
その他
・バディが乗る車はレンジ・ローバー
・ウィキペディアより
→第50回カンヌ国際映画祭において今村昌平監督の『うなぎ』と共に作品賞に相当するパルム・ドールを受賞した作品
→アッバス・キアロスタミ監督は小津安二郎のファンを公言。
『空の冒険』内の「桜桃の味」登場シーン
短篇のタイトルの一つとして出てきます。
吉田修一が書いた「桜桃の味」は岡田祥太という語り手が、同僚と出かけた食事会に来ていた小野田梅代という女性に淡い恋心を抱く話です。
その食事会で梅代は次の日から富良野に旅行に行くということを祥太に話します。
次の日、定食屋でさばの塩焼き定食を食べながら祥太は梅代にメールを打ちます。
映画と共通するところはなかったですが、定食屋のサービスでさくらんぼをもらうというくだりはタイトルが効いていると思いました。
吉田修一作品とのつながり
・ちょっと今回はよくわからないです・・・。
以上で、「桜桃の味」については終わります。
見るものに解釈の余地を大いに残した深い映画でした。
それでは、読んでいただき、ありがとうございました。
画像の出典:映画ドットコム「桜桃の味」