【閑話休題#38】映画「世界で一番美しい少年」
こんにちは、三太です。
12月に入っています。
今月は今年最後にして、なかなか忙しくなりそうです。
色々とチャレンジすべきことが控えていて、少し気が重いです。
けれども、「なんとかなる」「たかが〇〇(されど〇〇)」という気持ちで頑張っていきたいと思います。
では、前回に引き続き、「ベニスに死す」の深掘りということで、今日はドキュメンタリー「世界で一番美しい少年」を見ていきます。
基本情報
監督: クリスティーナ・リンドストロム
クリスティアン・ペトリ
出演者:ビョルン・アンドレセン
上映時間:1時間37分
公開:2021年
あらすじ
映画「ベニスに死す」で美少年タッジオを演じたビョルン・アンドレセンの人生を描くドキュメンタリー。
「ベニスに死す」のタッジオ役を探していたルキノ・ヴィスコンティとビョルンとのオーディションでの運命的な出会いから描かれます。
しかし、人生を振り返ったとき、結局はこのオーディションがビョルンの運命を狂わせていくのでした。
映画の成功、世界的な注目、家族の喪失、息子の死、生活崩壊など、様々な出来事が過去と現在のビョルンの映像を通して、描かれます。
そこには世界に翻弄される少年の人生がありました。
設定
・ドキュメンタリー
・家族の喪失
・運命の分かれ道
感想
「ベニスに死す」を見て、その感想などをまとめているときに、この作品の存在を知り見てみることにしました。
ビョルンにとっては家族の存在(喪失)がとても大きなものだったのだと思いました。
父は失踪し、母もいなくなり、その母は森で遺体となって見つかります。
祖母に育てられた少年は、後ろ盾のないまま、映画の煌びやかな世界に放り込まれていきました。
自分を守る術を持たず、ただひたすらに世界に消費されるビョルン。
その姿(あるいはその過去)があまりにも痛々しかったです。
しかし、現在のビョルンはそれに対して、ある意味感情を閉じたようなところもあります。
ドキュメンタリーのラストに描かれるリド島の海とビョルンの後ろ姿はその感情を表すような灰色で包まれていました。
厳寒を世界で一番ありのまま
その他
・日本語の歌を出すほど、ビョルンは日本にも深いつながりがあった。
日本でも一時期ビョルン・アンドレセンフィーバーがあったのです。
・池田理代子『ベルサイユのばら』のオスカルのモデルはビョルン・アンドレセン。
以上で、「世界で一番美しい少年」については終わります。
一人の少年が辿った過酷な運命に胸が打たれました。
それでは、読んでいただき、ありがとうございました。