【柳町光男シリーズ#4】「裏窓」『さよなら渓谷(文庫解説)』より
こんにちは、三太です。
10月末から11月にかけて学校で(というか自宅等にもいるとは思いますが・・・)大量発生しているものがあります。
カメムシです。
警戒すると悪臭を発する虫で、何もしなければ何もないのですが、生徒が気にするので教室から外へ逃がします。
カメムシのために少し授業の流れが途絶えることもあります。
困ったなと思いつつ、ボチボチ減ってきた感じもするので落ち着いて生活していければなと思っている今日この頃です。
では、今回は以前、『さよなら渓谷』の作品紹介をしたときに取り上げた「映画監督、柳町光男さんの解説」に出てきた映画「裏窓」を紹介します。
『さよなら渓谷』の文庫解説に出てくる10作の映画のうちの4作目です。
ちなみに「裏窓」については以下のような記述があります。
前回紹介した「グラン・トリノ」は隣家をめぐる話でしたが、「裏窓」は向かいの部屋が出てくる話のようです。
少し視点が広がってきました。
では、実際に見ていきます。
基本情報
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演者:ジェフ(ジェームズ・スチュワート)
リサ(グレース・ケリー)
ステラ(セルマ・リッター)
ソーワルド(レイモンド・バー)
上映時間:1時間54分
公開:1954年
あらすじ
足の骨折により、自宅アパートで療養をしているカメラマンのジェフ。
退屈しのぎに窓から向かいのアパートの住人たちを覗いていました。
そこには色んな人がいます。
ダンサー、作曲家、独り身の女性・・・。
そして、あるときある夫婦の部屋の様子がおかしいことに気付きます。
どうやら夫が病気がちである妻を殺害したように思えるのです。
ジェフはお手伝いのステラ、最近気持ちが遠ざかりつつあった彼女のリサとその夫婦の真相を追い始めます。
設定
・部屋からのショットのみ
・緊迫感ある展開
・かすかなユーモア
感想
ずっと追いかけてきた事件が最後にグイグイ展開していくところが面白かったです。
このドキドキ感だけでもとても楽しめました。
ただ、実は最後をどう解釈するかが難しいというのも自分の中に残りました。
途中まで見ている感じでのオチの予測としては、夫婦の間のことは実は全然事件ではありませんでしたという感じかなと自分は予想していました。
実際に何かが埋められていると思われた花壇の下からは何も見つかりません。
明らかに夫婦の間で何かがあったとは描かれないのです。(少なくとも私はよくわかりませんでした・・・)
けれども、ジェフのいるアパートにやってきたソーワルド(ある夫婦の旦那のこと)がジェフを窓から落とそうとするところなどを見ると、やはり何かを隠していたのではないかと思わざるを得ません。
警察の言葉に対するステラの二度見もなにか気になります。
やはりソーワルドは何か悪いことをしていたと解釈すると一応すっきりとはおさまるのかなと思います。
ちなみにちょいちょい挟まれるユーモアがけっこう好きです。
終わり方も秀逸でした。
裏窓で覗き見をして暮早し
その他
ウィキペディアより
→コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)による同名の短編小説(原題は『It Had to Be Murder』)を原作とし、事故で車椅子生活を送る男がアパートの部屋の裏窓から目撃した事件の顛末を描いている。
吉田修一作品とのつながり
・ここまで来るとちょっとつながりが見えにくくなってきたように思います。
ご近所で起こる事件という点で『さよなら渓谷』とつながるぐらいでしょうか・・・。
以上で、「裏窓」については終わります。
ある部屋からの視点だけでこれだけのドキドキ感を作れるのがすごかったです。
それでは、読んでいただき、ありがとうございました。
画像の出典:映画ドットコム「裏窓」