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【作品#54】「自伝小説Ⅲ」『犯罪 コレクションⅢ』より

こんにちは、三太です。
 
最近、内田樹さんの『街場の大学論』を読みました。
この本を読んで、自分はもっと世界史を勉強しないとなと思いました。
ということで、とりあえず世界史の流れをおさらいしようと学習まんがを読み始めています。
17巻の長丁場ですが、楽しんで進めていきたいと思います。
そのあとは気になったり、興味を持ったりしたところをさらに深めていく予定です。

では、今回は『犯罪 コレクションⅢ』の「自伝小説Ⅲ」を読んでいきます。
『犯罪 コレクションⅢ』は吉田修一さんの個人全集全四巻の三巻目にあたります。

初出年は2020年(1月)です。

文藝春秋の『犯罪 コレクションⅢ』で読みました。


あらすじ

「目の前の景色が途端に晴れた」高校時代の話がメイン。
中学時代は薄暗い繭の中で腐っていくような感覚。
そのままの生活が続けば、自分もなっていたであろう三文小説好きの伯父の姿。
高校で入った水泳部。
少しぽっちゃり体型のTさんとの交友。
高校時代に見た景色からつながる、初めて書いた小説「Water」。
短編映画「Water」で主演を務めてくれた滝口幸広さんの訃報。
高校時代から少しずつテーマがズレながら、「今」につながっていきます。

出てくる映画(ページ数)

今回はありませんでした。

感想

後半になるにつれて小説というよりもエッセイのような感じになっていきました。
高校時代から続くTさんとの関係性がなんとも言えず、すてきです。
芥川賞の候補入りが自宅に通知で届いた時のエピソードは別のエッセイでも読んだような気がします。(調べてみると、『ぼくたちがコロナを知らなかったころ』の「引っ越しと芥川賞と親友」というエッセイでした。)

中学時代の暴力でつながった関係の描写は少しえげつないです。
酒屋の倉庫の2階に作ってもらった自室に通ってくる不良友達。
この世界の雰囲気が『悪人』などの作品に投影されているような気もしました。

短編映画「Water」は吉田修一さんが唯一自ら監督をされた映画作品でもあります。
これまでからずっとその存在はわかっているのですが、どうしても見ることができません。(そもそもDVDになってないらしいです)
どうすれば見られるでしょうか?

ぽっちゃりのTさんとゆく枯木道

以上で、「自伝小説Ⅲ」の紹介は終わります。
小説というよりもエッセイのような作品でした。

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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