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【作品#49(32・33の間)】「愛を誓う」『恋愛 コレクションⅡ』より

こんにちは、三太です。
 
残暑が厳しかったですが、先週ぐらいからかなり過ごしやすくなってきました。
最近は秋がどんどん短くなってきているように感じます。
スポーツ、読書、食事、そして俳句など「○○の秋」というものを楽しんで、少しでも秋を満喫していきたいと思っている今日この頃です。

では、今回は吉田修一さんの個人全集全四巻の二巻目にあたる『恋愛 コレクションⅡ』の単行本未収録作「愛を誓う」を読んでいきます。

初出年は2015年(3月)です。
これまで紹介した作品で言うと『怒り』と『森は知っている』の間に書かれた作品です。

文藝春秋の『恋愛 コレクションⅡ』で読みました。


あらすじ

20年前に閻魔ちゃんに食わしてもらっていた筒井
筒井が妻であるの後輩の結婚式に行くというのが大きな筋です。
閻魔ちゃんの居酒屋での、筒井とある女性との出会いも描かれます。
語り手の筒井、その妻が瞳、瞳の連れ子の文樹という設定は『春、バーニーズで』の続編とも言えそうです。
単行本未収録の作品。

出てくる映画(ページ数)

今回はありませんでした。

感想

コンパクトな話の中に、異性愛、同性愛の二つが 描かれており、「愛とは何か」が主題だと思いました。
どちらかというと異性愛よりも同性愛が良いものとして描かれているような気もします。

簡単に言うと、筒井は居酒屋で出会った真希と不倫をします。
不倫をした筒井に言う、閻魔ちゃんの言葉が人間を知りすぎてるなと感じました。

「まぁ、唯一、アンタたちに救いがあるとすれば、淋しいからじゃなくて、楽しいから、そうなったってとこぐらいかしら」

『恋愛 コレクションⅡ』(p.165)

なかなかこんな言葉出てこないですよね。
「愛のある場所」と同じく閻魔ちゃんの存在感が強烈な作品でした。

人生の師匠の居酒屋秋刀魚焼く

以上で、「愛を誓う」の紹介は終わります。
酸いも甘いも知った閻魔ちゃんの存在感が強烈でした。
閻魔ちゃんシリーズが続きます。

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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