ドラマ感想『東京貧困女子。』WOWOWオリジナル
*この文章は2023.12にAmebloで投稿したものを加筆修正しています
つらいなら、見ないのもアリ
自分の心の中に、あったけど、できる限り意識せずに来たものを掘り起こされる。
だから、つらい、と思ったらそれ以上、見なくていいとワタシは思う。
それはきっと、見なくても分かってる、ってことだと思うから。
あらためて自分をいじめる必要ない。
さてさて。
※ネタバレを含みます
三浦貴大が、見た目ダルダルなのだけど、やさぐれでいるだけ、というわけではないサキタというライターをうまく表現している。
主演はコメディもシリアスも、気張った空気なく、個性的に自分の色に染め上げる趣里。
雁矢(趣里)は経済誌の編集者。
離婚して、母の助けを借りて幼い子を育てながら、働いている。
女性の貧困問題のシリーズ記事を書くサキタを担当することになる。
彼女たちとの差は、いくらもない
1話目から重いが、2話目、真中瞳の回から、さらに闇が深くなる。
闇というのか、泥というのか。
自分の足元には光が当たっていたと思ったのに、気づいたらそれが消えて、
前後も分からぬ泥沼へ深く引き摺り込まれていたような。
ドラマが進むにつれ、自分の居場所まで、あるときは気まずいカラオケルーム、あるときは凍えるようなアパートの一室になる。
各話30分でも、濃密さは圧倒的。さすがWOWOWドラマ。
第何話が良かったとかいう次元ではなかった。
どれもが現実で、どれもが、自分と差があるか分からない世界だった。
これを見て苦しいのは、女だからなのか。
身に迫っていると思うのは、女だからなのか。
本当はずっと納得できない。
自分が女であるということ。
その不自由。
ほかの人は、見て、どんなふうに感じたのかなあ。
スペシャルドキュメントや音楽など
スペシャルドキュメントも見た。
監督も、コメントしてたプロデューサーも男性だったな。
(クレジット見るとプロデューサーは3人の中で女性らしき名前がひとつ)
ある近代美術館に行ったとき、アーティストはほとんど男性だったことを、ふと思い出したりした。
…なんだか散らかった感想になってしまった。
ドラマの最後は、ちょっと強引に希望ありげなシーン入れてきた感じもあるけど、展開も配役も無理無駄がなく、WOWOWドラマのクオリティの高さに感動する作品だ。
エンディング曲は THE YELLOW MONKEY『ホテルニュートリノ』。
知らずに見てたのだが、ボーカルが聴こえた瞬間、あれっ、と耳を引きつける力が、さすが。
曲展開が懐かしいのは、若い頃よく聴いていたせいだろう。