変わっていく、の面白さ 【書道の話】
子どもの夏休みの宿題をきっかけに、ほぼ毎日30分、字を書いている。
いつか、歌舞伎の題名を書いてnoteの記事のタイトル画像にしたい、という野望があるのだが、まだまだ先。
市販の墨液を使って書いている。
このごろ、練習の終わり時間が近くなったら、墨液を足さず、一滴ずつ水を加えて薄めていく。
書いたあと、乾いていく過程での表情の変化が面白い。
墨の付き具合で、不均一なグラデーションみたいに乾いていく。
原液でそのまま書いたのが、こちら。
空の色でも海の色でも、そして墨の色でも、刻一刻と変わる景色を眺めていると思い出すのが、長唄『春興鏡獅子』の歌詞。
書いたそばから変化は始まる。
未熟ゆえに文字だって同じように書けない上に、どんどん薄める墨で、色も乾き方も均一でない。
どれもこれもたった一枚の、たった一瞬。
面白くて面白くて、見飽きない。
毎朝、なかなか起きないムスメに声をかけたり、夕方、時間に追われて食事の支度をしているとき、これいつまで続くんだろう、と思ってしまう。
つい忘れてしまう。
ムスメはいつの間にか、一人で「おやすみ」と寝室へ行けるようになった。
旦那が「俺も写経をやってみよう」と言い出した。
時間は留まらないから、すべては小さく変化している。
変化といえば、色が変わっても油断せず、時間どおりきちんと茹でましょう、と教わったのが、カニ。
寒くなってきたので、カニでもいかがですか。