心を壊してまで成長するものか
ある人は言う
「成長させるためには、負荷をかけることが大切だ」
「1回落ち込むから次に向かって、より高くジャンプすることができる」
本当にそうなのか
成長するためにはメンタルが落ちる過程が本当に必要なのか
真剣に考えたい
「夏に1度あなたの心を壊します」
実際に受験生時代に先生から言われた言葉である
教師の意図としては、夏休み期間にレベルの高い問題を沢山解いて、解けないことに絶望を感じた後に、どれだけ這い上がってこられるのか確かめたくての言葉だったらしい
這い上がれる人もいるだろう
しかし、そこには這い上がる前に精神を病み、敗北を味わいながら苦汁を飲む人も必ずいるのだ
既に
多大にストレスやプレッシャーを感じている人にとっては、先生が放った言葉に耐えられない人もいただろう
私もそうだった
繊細でストレスの対処法をまだ知らなかった私は酷く落ち込みと憎しみの感情が芽生えた
ストレッサーという言葉を聞いたことがあるだろうか
ここでは、人工的にストレスを与えることで、相手の成長を促す人のことを指す
人工的にストレスを与えられる環境が用意されているなんて気味が悪い
しかし、世の中にはストレッサーが蔓延っているのが現実だ
特に会社や部活などの組織では成長するために上司や監督が、この壁にぶち当たらせよう、この重たい仕事を任せることで成長させよう、練習量を増やそうと常に考えているものだ
それを知っているのと知らないのでは考え方がまるで変わるだろう
知らなければ、上司や監督に対して憎しみを抱くものだし、知っていればかかるストレスも軽減するし、それを乗り越える術を考え続ける
パワハラやモラハラにも繋がるが、教育する立場の者にとってここの線引きに頭を悩ませる者もいるかもしれない
上司や監督に指導されて、その指導が正しいものであっても、パワハラだ、モラハラだと報告すれば、上司や監督がストレッサーとなる構図が崩れてしまう
ただし、自分の成長の機会も同時に奪われてしまうのだ
コンフォートゾーンという言葉を聞いたことがある人は多いかもしれない
成長を手に入れるために必要な環境を指して、使われることが多い言葉だ
成長を求めていない者は基本的にコンフォートゾーンに身を置いている
そして、下の図のようにラーニングゾーンと呼ばれる環境に身を置いている時、平たく言うと、適度なプレッシャーを感じる空間に身を置くと、より良質な成長を手に入れられるというものだ
一般的にコンフォートゾーンの話をされるときは
コンフォートゾーンにいる者に指摘して、ここから抜け出そうという根端で話をされることが多いが、
私はむしろその上の段階である、パニックゾーンに重きを置いて話をしたい
タスクや指導者からのプレッシャーやストレス値が過度になっている場合、
メンタルの領域はパニックゾーンと呼ばれる場所に位置していて、パニック状態に陥り、タスクに手を付けられない、恐怖心やトラウマを植え付けられてしまうという問題が起きる
間違った指導者はここを理解していないのである
単にプレッシャーやストレスをかける役割をすることで成長を促せるという安直な考えによって、無垢な被教育者は、自分が不甲斐ないのだと心を病み、成長の機会を失ってしまう
そして、植え付けられてしまったトラウマは、次のチャンスに手を伸ばす意欲さえ失われてしまい、最悪な場合、再起不能となる
どの環境に身を置くのが正解なのか、この事実を知ったうえで選べるようになることが重要なのかもしれない
結論:成長に心を壊す必要はない
成長したいなら、適度なプレッシャーとストレス値を感じる環境を選 ぶことが大切