水耕栽培とは?①土栽培(土耕)について
水耕栽培とは?
それを説明しようとすると、それ以外の栽培との比較で説明することになります。
今回の記事は水耕栽培の説明をするために他の栽培との分類と土栽培(土耕)についてご説明します。
ちょっと教科書的な内容になるので面白くはないと思います。
でも「そういう違いを納得した上で水耕栽培に挑戦したい!」って方に読んでいただければ嬉しいです。
水耕栽培とは?
水耕栽培を説明するために、それ以外の栽培との分類で説明させてもらいます。
まず、大きく分類すると
土栽培(土耕)・養液栽培・水耕栽培と表現できます。
ただ、この分類ははっきり分けられるものではなく、下図のように重なった部分があります。
土栽培(土耕)の定義
土を使っている栽培が全て土栽培になります。
土を使って尚且つ養液を使っていれば、土栽培でもあり、養液栽培でもありますね。
養液土耕栽培とも言われ、この部分は土栽培と養液栽培が重なる部分になります。
養液栽培の定義
肥料が溶けた養液を使った栽培です。
養液を使っていれば全て養液栽培ですから、土栽培でも水耕栽培でも養液を利用すれば養液栽培でもあるという事になります。
水耕栽培の定義
土を使わない栽培。
土を使わなければ全て水耕栽培と言うのか?と言うと、ここは見解が分かれるとことで、土以外の培土(ロックルールやヤシガラなど土に代わる固形物)を使っている場合は水耕栽培と言わない場合もありますし、土を使っていなければ土以外の培土を使う栽培も全て水耕栽培と呼ぶ場合もあります。
①土栽培(土耕)の特徴
条件を整えるのが難しい
土栽培(土耕栽培)、それは奥が深く、その条件によって植物の生育は大きく違ってきます。
そもそも土を形成する成分が一定ではなく、その上、その後の管理で更に状態が変わってきます。
どんな堆肥、どんな肥料、どんなタイミングで潅水や施肥をするのか?
他にも、過去にどんな栽培をしていたのかでも変わりますし、その年の天候によっても変わってきます。
更に微生物やミミズや昆虫、様々は生き物の影響もあります。
条件がたくさんあり過ぎます。
また、目標とする土の状態が見た目や測定などで判断しづらく、自分の作っている土が今いい状態なのか?改善が必要な状態なのかも分かりづらいし、分かったところでどう改善すればいいかの具体策も判断しづらい。
この土耕栽培の分かりづらさ・複雑さが、家庭菜園で野菜栽培を取り組む時の難しさになります。
「やってみよう」とチャレンジしても思い描いた結果になりにくく、更に改善策がはっきり分からないために諦めてしまう人が多いように思います。
自然環境に順応するたくましさ
でも、この複雑さはメリットの一つだと思います。
いろいろなものの影響で関わり合って、支え合って、自然と連動しているからこそ、変化する自然環境に順応し、対応できるたくましさがあります。
いろいろな条件が複雑に絡んでいて、更にその条件が安定していない・変化するから、様々な条件に対応できるように備えています。
一つの条件の変化で極端な生育不良を起こさない、順応力・干渉力があるんです。
雨が降らず水がもらえなくても、しばらくは耐える力があります。
肥料が不足していても、それなりの生長をして維持します。
どんな植物もすごい
植物は生きています。
置かれた環境に文句も言わず、できる精一杯の生長をします。
水が少ない、肥料が足りない、太陽光が足りない、温度帯が違う
植物は自分が生長できる環境じゃない時に無理して無謀な生長はしません。
だって、そんな環境で無理して背伸びして生長しても、その後その生長を維持できない事が分かっているから。
でも、だからと言って諦めたりせず、その環境でできる精一杯の生長をします。
土耕栽培の環境は複雑で整えにくいけど、整っていなくても、植物はその環境の範囲でできる生長してくれます。
栽培初心者には分かりにくい
だから、栽培初心者には分かりにくい。
条件が悪くても、その環境の範囲でできる生長をしてくれます。
土耕栽培の干渉力・順応力のおかげで、急に枯れたり、萎れたりせず、じっくり・ゆっくり生長して、なんとなく育ってるようにみえる。
でも、最終的に
「あんまり実がつかなかったなぁ」
「実が甘くなかったなぁ」
「気付いたら枯れちゃったなぁ」
といった具合に、何か決定的な管理ミスがあってダメだったというよりも、なんとなく育ってくれたけど、期待するほどじゃなかったで終わる。
何が原因だったか分からないまま、翌年再チャレンジする意欲が沸かず
「植物育てるのは向いてないなぁ」
で終わってしまうのではないかと思います。
まとめ
今回は水耕栽培を説明するために、他の栽培、特に対照的になる土耕栽培について説明してみました。
土耕栽培は条件が多くて複雑
複雑だからこそ、変化に適応する力や順応する力がある
でも栽培初心者には分かりづらい
次の記事では水耕栽培の中でも、とまとん母さんが主に使うハイポニカ栽培について説明させてもらいます。
僕たち植物はいつでも一生懸命です
土耕栽培の植物がいいとか悪いとか、
水耕栽培の植物が優れているとか劣るとか、
そうじゃないんです。
どんな環境でもどんな栽培方法でも、
その環境で精一杯の生長をしています。
どうしてそうなったか?
どうしてそういう生長をしたのか?
それを考えて欲しいです。