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フラクトオリゴ糖で「花粉症は一日で治る!」要約・所感

おはようございます。本日は小柳津広志さん著書の「花粉症は一日で治る!」を取り上げたいと思います。

花粉症の時期がやって参りました。テレビを付ければ今年は去年の倍だとか、10年来で最大量だとか花粉症の方にとってはつらい言葉がたくさん聞かれます。かくいう私も花粉症には悩まされる患者の一人です。

小柳津さんは東京大学名誉教授で微生物博士として世界的に知られる存在です。そんな小柳津さんが100%花粉症は治ると断言され、その方法について書かれた書籍になります。

本書の主張を端的に言えば「花粉症治療のカギを握るのは誰もが大腸に飼っている酪酸菌であり、その働きを活発にするのがフラクトオリゴ糖という水溶性の食物繊維である」となります。

花粉症でもう悩まないためにも本書から学んだことを以下にまとめておきます。

1.花粉症と免疫 腸内フローラ

ここ30年ほどで花粉症の患者数は右肩上がりに増え続けており、現在では日本人の約半数は花粉症であるとの報告もあります。

花粉症は免疫細胞が起こす炎症が原因です。炎症とは体の中の免疫が活性化すること。鼻や喉の粘膜に付着したアレルゲンに対して過剰に免疫が働いてしまうことで起こります。

鼻や口から腸までと続く人の消化器官はウイルスや病原菌などに直接さらされる為、高い免疫機能が備わっています。特に腸には免疫細胞の約70%が集まっており「腸管免疫」と呼ばれています。

ヒトの体は約37兆個の細胞からできていますが、腸内細菌の数はそれよりも多い100兆個ともいわれ、それらが腸内フローラを形成しています。この腸内フローラが免疫をサポートしているのです。

昨今では腸活という言葉が流行っていますが、腸活は腸内フローラを管理すること。腸内フローラを管理することは免疫を上手くコントロールすることに繋がります。

2.なぜお年寄りは花粉症にならないのか

 多くの患者がいる花粉症ですが、周りで80歳以上の人で花粉症に苦しんでおられる方は少ないのではないでしょうか。私の祖母の年代になりますが確かに花粉症ではありません。

花粉症の原因については大気汚染等様々な言われているのですが、本書では抗生物質の使用がその原因であると説きます。

抗生物質はかつては大戦時代に兵士の治療に使われていましたが、1950年代から結核や肺炎などの治療と、一般向けに使用されるようになりました。現在、80代の方はこの頃にはすでに大人になって免疫が高まっており、抗生剤治療を受ける機会は限られました。

抗生剤はたしかに人類生命の天敵である感染症を抑える事に成功した、画期的な発明であることは間違いありません。しかし、物事には必ず光があれば影があります。 何かを得れば何かを失うトレードオフの原理が働きます。ウイルスを抑え込むのと引き換えに、腸内の良好な菌、腸内フローラを破壊してしまったのです。

腸内フローラの混乱は免疫機能に不調をきたし、花粉のような毒性の低い外敵に対しても過剰にアレルギー反応を起すようになってしまったのです。

3.フラクトオリゴ糖の効果とその取り方

腸内フローラを主に構成するのはビフィズス菌と酪酸菌、大腸菌になります。酪酸菌の作る酪酸は免疫を発達させ、全身に炎症が起きないようにコントロールします。

大腸で酪酸菌が増えれば1型アレルギーをほぼ抑えることができます。そのメカニズムはまだ解明されてはいないですが、Tレグ細胞の増加が関係していると言われています。

その酪酸菌の餌となるのが、フラクトオリゴ糖なのです。本書の花粉症治療を簡潔にまとめると以下のようになります。

①フラクトオリゴ糖を摂る

②フラクトオリゴ糖を餌とした「酪酸菌」が活発になる

③花粉症をはじめ様々なアレルギー症状が治る

フラクトオリゴ糖はどのように摂ればよいでしょうか。フラクトオリゴ糖は砂糖に果糖が一個から10個程度付いた糖です。果糖が50とか100とか対応についたものはイヌリンと呼ばれます。大腸で酪酸を増やす力が強いものが果糖の数が少ないものです。

フラクトオリゴ糖が豊富に含まれ、かつ手に入りやすい食品はゴボウです。一日に約100gの採るのが理想とされます。しかし毎日の摂取となると現実的ではないので、本書では50gのゴボウとタマネギ1/2個程度が推奨されています。

また、現代は便利な時代となりフラクトオリゴ糖が顆粒に加工されたものが手に入ります。料理やお菓子に砂糖代わり入れて摂取すると習慣として定着しやすいです。かくいう私は、毎日朝のコーヒーにフラクトオリゴ糖を入れて飲んでいます。

現在の花粉症治療はその殆どが、症状を緩和する対処療法であり根本的な原因にアプローチした治療ではありません。腸内フローラ管理は体にも負担がかからない、根治療法であると思います。花粉症でお悩みの方は試してみる価値のある方法だと思います。

医療職の立場で言うのははずかしいですが、腸と免疫がここまで関連していることを知りませんでした。腸は第二の脳とも呼ばれ様々な神経伝達物質を生成していることも知られています。これを機にもう少し腸活についての書籍を読んでみようと思います。

本書には腸内フローラを管理することは花粉症だけでなく、認知症やうつ病予防にもつながることが示されています。

より詳しく知りたい方は是非手にとって読んでみてください。



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