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ソースプリンシプルを学んでいたらフランス革命に辿りついた!?読書記録4『A little red book about source: Liberating management and living life with source principles』
はじめに
1週間に1回のペースでソースプリンシプルにまつわる世界で初めて書籍『A little red book about source: Liberating management and living life with source principles』をJUNKANだいこんのメンバーと読書会で読んでいます。
JUNKANだいこん(社団法人考案中)とは?
発起人・ソース:吉原史郎
日々の暮らしでの 「じゅんかん(循環/いのちの流れ)」を土壌として、 「オーガナイジング(Organizing)・経営」、「マネー&テクノロジー」について実践探究をしている団体です。主な探究テーマとしては、ピーター・カーニックの「ソースプリンシプル(ソース原理)とマネーワーク」、また、JUNKANと親和性のある哲学(西田幾多郎、ヘラクレイトス等)があります。
【NEWS】
トムの本の和訳をされた青野英明さんがステファンの本を翻訳中とのこと!(史郎さんも翻訳原稿の最終確認をされるそうです)とても楽しみです♪
今回は、その中で感じたことについて書きます。
ソシオクラシーとは何か?
書籍の中で、Dynamique Participative(参加型ダイナミクス)という手法が紹介されています。
これは、著者であるステファンとマルティーヌマレンヌという方の共同によって生み出されたマネジメントとガバナンスの方法だそうです。
このDynamique Participative(参加型ダイナミクス)は、ソシオクラシーから生まれたそうです。
ここからソシオクラシーの系譜について紹介します。以下は、ソシオクラシー3. 0の以下のページを参照しています。
・ソシオクラシーという言葉は、フランスの哲学者オーギュスト・コントが社会に科学的アプローチを適用することを提案した1851年まで遡ることができる。
・その10数年後、レスター・フランク・ウォードは人々の相互関係によるルールを表すためにソシオクラシーという言葉を使った。
ソシオクラシー1.0
・1926年、オランダの改革派教育者でクエーカー教徒のキース・ボーケは全寮制学校を設立。職員と生徒は学校のガバナンスにおいて平等な参加者として扱われ、すべての決定は全員が受け入れられるものである必要があったそう。彼はクエーカー教徒の原則と実戦に基づいてソシオクラシーのこのバージョンを構築し、ソシオクラシーをデモクラシーの進化として1945年に出版したエッセイで説明した。
ソシオクラシー2.0
・同じくクエーカー教徒でブーケの学校の生徒だったジェラルド・エンデンバーグは、家族経営のエンデンバーグ・エレクトロニックにソシオクラシーを適応したいと考え、、SCM(ソシオクラティックサークル組織メソッド)を作り、ブーケのソシオクラシーの形式にエンジニアリングとサイバネティクスを統合していった。
ソシオクラシー3.0
・2014年にジェーム・スプリーストとベルンハルト・ボッケルブリンクはアジャイルやリーンのアイデアを統合し、クリエイティブコモンズライセンスの学習リソースを共同作成するために集まる。その結果、2015年3月にソシオクラシー3.0が発表される。
上記の2.0と3.0の間の別な流れとしてのホラクラシー
書籍「ティール組織」でも紹介されているホラクラシー開発者のブライアン・ロバートソンはジェラルド・エンデンバーグ及び彼のつくったSCMに影響を受け、自身の経営に活かしていった。その後、彼は自身の経験に基づいて改善を進め、ホラクラシーを開発する。
ソシオクラシーとは何か?
では、そんな歴史を経て進化し続けているソシオクラシーとは何か?について、先にも紹介したソシオクラシー3. 0のwebサイトの文に簡易翻訳をかけたものを引用します。
Sociocracy 3.0 (別名「S3」) は、小規模な新興企業から大規模な国際ネットワークや複数機関のコラボレーションに至るまで、あらゆる規模の組織を機敏かつ回復力に進化させるためのソーシャル テクノロジーです。
S3 は、個人と組織全体の両方にとって革新的なテクノロジーであり、組織の最大の課題に対処し、直面する機会を活用し、最も永続的な問題を解決する方法を見つけ出すのに役立ちます。
組織をより理解し、変更が必要な箇所について効果的にコミュニケーションするのに役立つ便利な概念。
個人的に興味深かったのは、ソシオクラシーの源流とも言えるオーギュストコントが、フランス革命直後に生まれ、革命後の思想的混乱をみて自身の学問で秩序を取り戻そうとしたということでした。
また、オーギュストコントについて解説されているこの動画によると名誉革命のあったイギリスとは異なり、フランス革命のあったフランスには議会政治が機能していなかったことが啓蒙思想の影響を受けてもおかしくなかったが、機能せず混乱が続いていたそうです。これは、健全な階層構造が構築される段階にいく前にフラット化を実行し、ある種の無秩序になってしまった会社組織のケースに似ているように思えて面白かったですね。
このあたりの、市民が力を持った一方でガバナンスが機能せず無秩序になってしまったフランスの歴史から、ソシオクラシーの流れが生まれていき、フレデリック・ラルーの書いたティール組織でも多く取り上げられているホラクラシーに大きく影響を与えたという一連の流れが実に面白い。
ソシオクラシーはもちろんのことながら、オーギュストコントにも興味を持ちましたし、もうちょっと色々調べてみたいなと思いました。
さいごに
オーギュストコントや彼の師であったアンリ・ド・サン・シモン、フランス革命などは世界史をとっていた私にとって内容は覚えていなくても耳にしたことがある人物・出来事でした。
それらがまさかソースプリンシプルの探究を進めて行く中でまた登場するとは、そして、その時以上にとても興味深く思えるとは、思っていませんでした。
読書会のはずなのに、大学のゼミのような探究ができて、共有できる仲間がいて有難いなぁと感じています。