「ソースプリンシプル」にまつわる本を読み始めてお金観の探究が始まった〜その7〜マネーゲーム体験編
はじめに
2022年から始まった私のお金にまつわるInner Journey(内面の探究)season3について書き始めています。前回の記事はこちら。
今回は、書籍『すべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』の原著者であるトムニクソンが吉原史郎さん・優子さんが立ち上げた集まり「JUNKANだいこん(※)」の企画でパートナーのアグネスと一緒に来日した際に、トムとアグネスがやってくれたプログラム(©️Tom Nixon Ltd)の中で行われた"マネーゲーム"というワークショップの感想・得た気づきについて紹介したいと思います。
マネーゲームについて
マネーゲームとは何か?
実際のお金を使って行うゲームで、トムはソースプリンシプル&マネーワーク提唱者のピーターカーニックから教わったそうです。もともとはスコットランドにあるスピリチュアルなエコビレッジとして有名なフィンドホーンというコミュニティで行われているものだそうです。
トムは言いました。
「ゲームをやっていく中でお金が自分にどういう意味を持っていたのか?お金に対して自分はどういう人になってしまうのか?を体験するでしょう。マネーゲームで浮かび上がってくることがその後に行うマネーワークのいい材料となってくれるはずです。」
そして、実際にゲームがスタートしていきました。
メインのインストラクションはトムが行い、パートナーのアグネスは途中何度も体に意識を向けるように投げかけてくれました。プロセスにおいて大切なことは体に起こるリアクションに気がつけることだからです。
ゲームの大まかな流れ
・準備
各自の持ってくるお金がゲームで使うツールとなります。その際、なくなってしまうと自分の心が動くレベルのお金を持ってくることが推奨されていました。私は何となく5万円持っていくことにしました。
・当日
ゲームはまず全員がテーブルを囲み、自分の席の前に自分が持ってきたお金を置きます。
そこからスタートします。このお金に対して、「他の人の所に置いてあるお金を自分のところにひたすら持ってくることだけしていい」だったり「もらってきたり上げたりどちらもしていい」といったルールに基づいて制限時間、ひたすらその行動をおこなう(その時に自身に起きることを観察しておく)、といった流れになります。
合計3パターンのルールで行いましたが、最初の2つのパートは無言で行い、最後だけ声を出して交渉したりしていい、という違いがありました。
すべてのゲームが終わり、自分の席に戻った時に、目の前に置いてあるお金を持って帰る、ところまででゲームが終わるそうです。言い換えると、それまでのゲームを経て、最初よりも多くなった人はその金額を、少なくなった人はその金額を持って帰る、ということです。
今回は手違いもあったので、最終的にはプレイヤー間の相談に任せる形に着地しました。私もいまいちそのルールのことを最初に分かっていなかったので、最終的にお金が減るかもしれない、という意識をせずに臨むことになったのですが、もしリアルになくなることをイメージしてから始まっていたらプロセスの過ごし方は変わっていたかもしれません。
また、今回は関係を育んできたJUNKANだいこんの仲間たちで行なったので、ゲームに臨む上での安心感は大きかったように思います。これが全く初めての人たち同士だったらまた違った色んな感情が動いていたかも。それも試してみたいような、怖いようなww
マネーゲームの感想
今回はめったにない機会だと思ったので、普段やらないような大胆な行為をチャレンジしようと思い臨みました。
総じて感じたこと
まず総じて感じたことは「めちゃ楽しかった」ということです。こういった自己理解につながるようなワークショップやゲームは相応にやってきていると思いますが、その中の何にも似ていない感覚がありました。本物のお金を使ったからでしょうか。
ゲームでネガティブな感情を感じたシーン
・全員に一度はお金をもらおうと決めて実際に行なっていたのですが、最後の方に「もらいすぎかな?」とか「リクエストばかりしているってどうなの?」いう客観視が生まれ、多少の罪悪感が生まれました。
・たくさんもらう中で、多少カラダが力んでいたのを感じました。
ゲームでポジティブな感情を感じたシーン
・予め自分がリクエストしたい金額を全力で伝えると気持ちがよかった。(相手が実際に持っているかどうかを気にせず)
・上記のリクエストをした際、「なぜですか?」と聴かれて「ただ欲しいんです」と伝えたことも気持ちよかった。
・誰かに渡して手元からなくなるのが楽しいという感覚があった。これが人に渡すのが楽しいのか、手元からなくなるのが楽しいのか、その片方か両方なのかまでは感じ取れなかった。
ゲームで無感覚だったシーン
・手元にお金が届けられる、ということへの味わい不足。せっかくいただいたのに、「いただいたなぁ」といただいた体験自体を立ち止まって感じる、のではなく、さっと次にいってしまう、そんな自分がいました。
ゲーム終了後
・最終的に手元に残ったのは持ってきた金額より22000円少ない28000円でした。しかしながら、減ってしまった・・・という「無いこと」に意識が向くのではなく、最初は諭吉さんだけだったところが「全種類のお札=お金が多様になった」という「有ること」に意識が向いていたのが印象的でした。
また、ゲームが始まる時にもともと持ってきたお金よりも増やしたいという人向けに用意されていたおもちゃのお金に自分の名前を書いて代用した人もいました。そのお金も含まれていたのですが、そのお金にはその人の名前が書いてあり、顔の見えるお金のように感じられたのです。これはおもちゃのお金だからそうなっていますが、お金も本当は色んな人の手を渡っているものであり、普段は意識できていないけれど誰かの顔や物語が紐づいているものなんだよなぁと感じましたね。
このゲームは実際の生活に役立ったか?
結論からいうとYESです。
具体的には、クライアントとの報酬の交渉において、このゲームで体験してみた「まず希望額をそのまま伝える」という行為を試してみることができたのです。
私はフリーランスとして活動して合計13年くらい経ちますが、パッケージ化したものを提供するというのがいまいちしっくり来ず、クライアントの状態に合わせてカスタマイズし、都度話し合いながら関わり方を変えていくという柔軟なスタイルでやってきました。
過去には自分よりも人生経験が豊富で尊敬する人たちと仕事をすることが多く、プロセスで指導していただくこともあったため「理想の金額を伝える」のではなく「提示いただいた金額」で受けていました。
そんな中、今回はその当時からつながりがあり、尊敬しているクライアントに対してまっすぐに「理想の金額」を伝えることができたのです。
その方とこれまでとは違ったコミュニケーションが取れたことに自身の成長を感じましたし、マネーゲームでの体験を活かせたと思えて嬉しかったですね。ちなみに、結果としてその金額でOKをもらえたこともいい成功体験になったなと感じています。
さいごに
この記事を書くにあたって当時のメモなど色々見返してみましたが、思いお出すだけでも気づきが生まれるくらい濃い時間だったんだなぁと思いました。さいごに振り返って今思うことを書いて終わります。
・私にとって、要望(リクエスト)することやもらうことは「頑張って行う」行為で、あげることは「頑張らなくてできる」行為というのが自分の傾向なのかもなぁ。(これはお金に限らない気がする。)当時の気づきからも見てとれるし、今もリクエストやもらうことをイメージすると体に「うっ」とした身体反応が出る感覚がある。ここはリクレーミングのポイントだなぁ。
・ここまでお金そのものや、誰かとやりとりするプロセス全体に意識を向け続けたことは人生で初めてだったなぁ。14年前にハワイ島のオーガニックファームで3ヶ月間生活し、日々農作業を行うといった集中期間があったことで畑、自然への感覚が飛躍的に変わり、「いのちの循環の中を生きていると感じるようになった」ように、お金についてもこの時と同じレベルで、ある種マインドフルに扱う時間を意識的に増やすことで違う世界が開そうな気がする。
おまけ トムニクソンの情報について
トムの英語関連のサイト情報を載せます。ぜひみてみてくださいね。また、マネーゲームに興味がある方はぜひトムに問い合わせてみてください♪