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【全ての言葉が〝素材〟になる】京都ライター塾第11期レポ(25.1.18.)

3ヶ月の学びの場。京都ライター塾の2回目。備忘録も兼ねて、三つのパートに分けたレポート記事を書いてみることにする。


1.前回の講義と宿題の振り返り

 1週間ぶりのライター塾。私自身にとって、久しぶりに本腰を入れて臨む学びの場だ。いくつか宿題があり、中には完遂できていないものもあったけれど、開始時間ぴったりに速やかに席に着く。この1週間、宿題に取り組んでいて気づいたことは、〝義務感〟が全くなかったということだ。宿題だからやる、将来役立つからやる、お金を払ったんだからやる、といった〝やる理由があるからやる〟が一切なかったことが、自分の中での意外な発見だった。強いて言えば、やりたいからやる
 学びの場で〝理由〟を探さない自分が新鮮だ。

条件をつけることの効果

 宿題の一つ、毎回のレポート記事を書く。この記事を書くにあたり講師の江角さんから、条件が提示された。

「レポート記事は、〝このライター塾に入りたかったけど入れなかった人〟に向けて書くつもりで」

(江角悠子さん)

 この一言を時折思い出し、その場にいなかった人に伝わるように書けているかどうか?を確認しながら書き終えることができた。もちろんこのレポートも、その辺を意識しながら書いていくつもりだ。

「単価以上にやってしまうのは仕事にならない」

 全体の中からランダムに指名された、何人かの皆さんの振り返りを聞く。振り返りコメントに対して、江角さんが相槌とプチアドバイス的なお話をされる。その中でハッとした一言があった。

「単価以上にやってしまうのは仕事にならない」

どなたかの「書くことに時間がかかってしまった」という反省を受けて、江角さんがおっしゃった言葉だ。将来的に〝書く〟を仕事にしていくなら、限られた時間・エネルギーを単価内で最大限に使う訓練をしなければならない。
 条件が揃えば良質なものが書ける、そうでなければクオリティを担保できない。・・・は通用しないのが仕事の現場だ。良かれと思って、自分のエネルギー(時間、体力、お金など)を必要以上に差し出すことは、自分を疲弊させることに繋がってしまう。その結果、その後の仕事を安定的に供給し続けることが難しくなってしまうのだ。クライアント・読者・ライター、誰も得をしない未来が待っている。
 良い人と思われたくてついサービス残業的なことをしてしまいがちな私は気をつけようと思った。

2.ペアワーク

 今回はワーク中心の日。60分間のペアワークを予定している、とのこと。講師の方とのマンツーマンならまだしも、お互い学ぶ立場の人間同士がブレイクアウトルームに放り出される笑。一体どうなるんだろう?と思った。

全ての会話はインタビュー

 今回私は、年代も離れているであろうフレッシュなイメージのhanaさんとのペアだった。画面上でお顔を見たことがある、というだけのhanaさんと一対一で話す。60分間をどのように使うか、といった具体的な指示もない。
 でも、「全ての会話はインタビューである」という、ワーク前のメモで「なるほど、ライターとして仕事をする現場と同じことをやってみるわけか。」と理解した。

探しながら聞くことの効果

 hanaさんが一生懸命話してくださる言葉とその意図を、どうやって引き出せるか?なおかつ、私だから引き出せる言葉はないだろうか?と、集中して聞いた。お互いを知らない者同士が、単なる世間話をするのとは明らかに違う、〝相手を知ろう〟としながら会話に集中する時間は、想像以上にあっという間だった。会話を重ねるごとに、hanaさんの自然な笑顔が増え、用意してきた宿題の答えとは違うであろう、素の言葉が飛び出す。hanaさんとの距離がぐんと縮まった気がする60分間だった。

3.今回の振り返り

 ブレイクアウトルーム終了のアナウンスが表示され、言葉が途中のまま強制終了にならないように気をつけながら、お互いの会話を締めくくり合った。

自分の全てが素材だった

 hanaさんの言葉を引き出しながら、その人となりを自分の中で形作る。それに夢中ですっかり忘れていたけれど、今回はペアワークなのだ。

「それはakiyoさんの強みですね」

「一見別々のように思えるけど、過去のお話などをお聞きすると共通点がありますね」

「その言葉、いいですね」

 私の言葉を拾いつつレシーブしてくれる言葉を聞いて、hanaさんにとっても、私が発する言葉の一つ一つが私を形作る素材になっていることを実感した。

「△でもいいよ」

 hanaさんに拾っていただいた言葉の中で、私自身も、「今日、初めて使ったわ!」という言葉があった。それは、○でも×でもない、
「△でもいいよ」
という言葉。確か、私の価値観を表す言葉を聞いたhanaさんが、
「そう思うようになったきっかけみたいなことはありますか?」
と聞いてくださった時に出た言葉だったと思う。

 何かと〝白黒思考〟〝0百思考〟に陥りがちだった過去の私が、どちらかに決めつけ過ぎなくてもいいじゃない、と思えるようになったことを話していた時にぽっと出た言葉だった。
 私にとっての価値観は当たり前過ぎて、その理由を改めて考えてみるということは、よほど意識しないとできない。それをhanaさんのフィルターを通じて引き出してもらい、思いがけず腑に落ちる言葉として口から出てきたことが新鮮だった。

ワンクッション言葉の効果

 今後、インタビューをする場面にいくつも出くわすことだろう。その時に生かしたいことを、hanaさんの言葉から学ぶことができた。それは、質問に入る前の〝ワンクッション言葉〟だ。

 今回のように時間に制限がある中でお話をしていただく場合に、インタビューする側はおおよその残り時間を把握している。
「こんなことを聞こう」
「ここにはこれくらいのボリュームを割いて会話を進めていこう」
という風に。
 でも、インタビューされる側は、相手のタイムキープに身を委ねることになるため、はっきりとした残り時間がわからない。そのため、hanaさんの言葉がけの工夫に、とても安心して話をすることができた。
それは、
「あと○分の間に、もう一つお聞きしていいですか?」

という、さりげない残り時間の提示だ。
〝残り時間、あと○分〟
といった機械的なタイムキープでは、おそらく「その時間内になんとかまとめなければ!」と焦る気持ちになっていただろう。hanaさんの問いかけには、思わず「いいですよ」と微笑みたくなる柔らかさがあった。

 自分の心づもりをさりげなく相手にも知らせながら、お互いの会話時間を実りあるものになるように工夫すること。言葉がけ一つで、インタビューを円滑に進めることが叶う。そんなことを学ぶことができた今日のペアワーク時間だった。

 最後に、hanaさん。猫と暮らしたい、という最強の共通項を早い段階で知ることができたことも、お互いのインタビューの円滑化に繋がってラッキーでしたね笑。ありがとうございました!





今回ペアワークでご一緒したhanaさんのnote。
接客業をされているとあって、人への気遣いと優しさに溢れた投稿に癒されます。





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