カメラ教室とセミナー文化
あなたがもし、カメラや写真に興味があり、今から勉強しようと思っているタイミングだったら、まずこの動画を見ることをおすすめしたい。
写真家対談のYoutube【GR TV】動画を見た。GR TV #21 「幡野広志さん×ワタナベアニさんが語る!写真を撮ること学ぶこと」
配信されたのは1年前。
その時のわたしが書いた記事はコチラ↓
写真を撮ることや、写真について学ぶということについて、お二人の経験を踏まえて、感じていることや考えていることを聞くことができる。
お二人には「日本がいい写真をたくさん撮る国であってほしい」という気持ちがある。
とくに以下のポイントは、興味深い考察だった。
スマホが写真を撮ることを加速させた理由は?
なぜ三分割構造が普及したのか?
なぜカメラ教室が流行るのか?
詳細とお二人の考え方はぜひ動画にて。
カメラ教室の話を聞いて思うことがあり、わたしは「日本のセミナー文化」について考えた。
ここから先はわたし個人の考え方。幡野広志さん、ワタナベアニさんの意見ではない。
15年ほど前、『カフェや料理のバエ写真が撮れます』のようなカメラ教室を間近で観たことがある。
わたしは参加したのではなく、様子を確認した程度。ミラーレスカメラを持った講師は女性だった。
まだInstagramもなく、iPhoneはあったけれど、iPhone3GSの頃で、イメージセンサーの画素数が300万画素、動画撮影対応スタートくらいのものだったから、ミラーレスカメラとの差がわかりやすかった。
生徒もほぼ女性で、まだカメラを持っていない人も多かった。近くに家電量販店があるカフェレストラン。
まずは、ミラーレスカメラで撮るとこんなにすごい!というカメラの機能説明から始まる。そもそもスマホではなく、カメラが必要であることを説明する、導入部分。
その頃は、自宅で仕事をすることが加速した時期だった。自宅美容系サロン、パンお菓子教室、ヨガなど、施術者やトレーナーが自宅開業をしていた。そのコミュニティから派生した、カメラ教室ではないかと推測した。
自宅開業となると、ホームページが必要な時代だった。今ではInstagramやFacebook、ブログでの集客、予約が信頼できるけれど、その当時はまだ弱く、独自ドメインのホームページがあるところが安心とされていた。自宅サロンのサービス提供価格はどこも大差なかったから、1番重視されたのがホームページ上にクオリティが高い写真を並べることだった。ホームページの信用=写真のクオリティであると説明があった。
カメラ講師のセミナーの様子を撮るカメラマンが近くにいた。おそらくこのセミナーの写真をカメラ講師のホームページにアップする。このカメラマンはフリーランスのホームページ制作者で、事例の一貫にもなるのだろう。
カフェレストランの入り口には、2時間のカメラ教室があります、と書いてあった。しかし、わたしがランチを食べ終わる30分程度で終わった。料理写真の撮り方テクニックを伝授し、終わったらみんなで食べましょうという流れだ。質疑応答時間と題してランチ会が始まる。
そこまでの時間で内容は小耳に挟むくらいだったけれど、このカメラ教室に対する感想は3点。
とにかくわかりやすいのがスキ。
盛り上がりはテクニック伝達のとき。
さぁ、この後みんなでカメラを買いに行きましょうの流れ。
内容の是非を言うつもりはない。教室やセミナーと言われるものは大抵このパッケージだから。なるべく理解できたと実感できる方法を教えることで、セミナー代に満足度を与えなくてはいけない。生徒にとっての正義という価値観もあるだろう。
それより、わたしが感じていた違和感は、そのセミナー講師を盛り上げる空気だった。さらにそこに居合わせた人とコミュニティを作る、その人たちと交流することが目的の人もいた。そしてその場に居合わせた全員でシナジーのようなものを生んでいる気になる、というのもこのカメラ教室代だな、と思うほど。
カメラ教室を通じてこの輪に入れば、お互いがお互いのサービスを利用できるから、これが一つの集客のスタートになっている。
しかしこれもある程度で飽和し、途中で誰かが仲違いをし、よくわからない感じで終わっていくだろう。それでは仕事ごっこだ。しかしお金にはなるし、そこでリピートしてもらえるほどの満足度が得られれば、お互いにとっていい。
このステージで生きていくには、コミュニティを拡大することを諦めない社交性が必要なのだ。コミュニティに新規を入れれば、それ自体が立派なマネタイズになる。サービス提供メニューには、セミナー講師が追加されるだろう。誰でも先生になれる。セミナー受講からの公認講師になれば明日から先生だ。スピリチュアル領域などのセミナーが良い例。1人に1時間かけるより、複数人にプログラム提供した方が投資対効果も大きい。
こんなこと言っていいの?大丈夫?
と思いながら書いている。言うよねぇ、と言う自覚はある。しかしこれは、否定ではなく、そこにある事実への理解の話。
つまりこれが、日本のセミナー文化じゃないのかな?と思うから。そこで上手くやれる人はそれでもちろんいい、立派、フルタイム会社員のわたしより、拘束時間は短く、何倍も稼いでらっしゃるでしょう。すばらしい、羨ましい。
その輪に入ると、コミュニティ文化の中で集客をスタートさせることになる。そこで水を得た魚のように泳げば、先生に気に入られるように先生を持ち上げなくてはならない。いつしか先生に憧れ、高みを目指すようになる。
そこには多額の支払いが伴う。
きっと返ってくると信じて。
そのうち誰かの目に止まって、スポンサーがつけばすごい。もちろん、自分で集客できる能力があれば、コミュニティから脱却し、新しい派閥勢力を立ち上げることも可能だ。だけれども、なかなかどうして、というのが現実。
投資額とすり寄りがありき、になっている。
これが日本のセミナー文化かと。
何も知らないくせに野外から言うな!というお気持ちはお察しします。
カメラ教室に行ったことはないけれど、わたしがセミナーの類に使った金額が累計300万円くらいだから、まだ少ないとご了承ください。
誰から学ぶか、誰の考えを聞くか、聞いて何を考えて、どんな写真を撮るのか、今から学ぶ人はもちろん、もう一度考えるきっかけにも、この動画とお二人の書籍はおすすめです。
リーズナブルに深く学べます。あなたのいい写真が見れる日を、楽しみにしております。
幡野広志さんと、ワタナベアニさんの書籍もぜひ。