無理なものは無理と認めることが成長するということ
うちのチビがはじめて40度の熱を出して意識朦朧としているこの2日間。“かわいそう”と思う反面、こうして成長していくんだなあ、としみじみ感じていたりする。
そんな折、ある話を思い出した。
赤ちゃんは、お母さんのお腹に守られていたときには全能感を伴っている、という話だ。すべてをお母さんに預けて、守ってもらえるという揺るぎない自信があるのだそうだ。完全無菌状態、お母さんの免疫に守られているのだ。
そうこうしているうちに、いきなり外界に出されて、外敵や菌と戦う羽目になる。誰かに踏み潰されるかもしれないし、暴力を振るわれるかもしれない。そんな危険な場所にいきなり放り出されてしまう。こうして全能感は打ち破られていく。
私たちは、無能感を受け入れていくことで成長していくという。できないこともある、と健全に受け入れていくことが、前向きな人生を歩んでいく糧になる。
読者の疑問の声が聞こえてきそうだけれども、そのようなのだ。たとえば、生きづらさを抱えている人は、逆に、この無能感を受け入れることができなくて悩んでいたりする。
だれからも嫌われないように、とまるで対人関係の全能者のように振舞ったりするのが最たる例だ。または、仕事においても上司に指摘されることに耐えられない人もいる。頭では不可能だと思っても、感情がそれを許さないという例はごまんとある。
悩んでも仕方ないことをこれでもかというくらい悩み込み、悩みが悩みを生むという悪いスパイラルにはまり込んでいく。
無理なものは無理だと受け容れること。健全に物事を諦めること。人生の旅路を振り返ったときに、諦めたことがたくさんありすぎても、それでも前を向いて歩いていこう。こうした心持ちが生きづらさから解放される秘訣なのかもしれない。
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