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子どもの成長とダイナミックスキル理論、あるいは対人支援者に必要なマインドセット

毎週土曜日は長男の体操クラブの見学が習慣である。長男の頑張りや成長を見るにつけ、親としては単純に嬉しいものである。

とはいえ、その成長は一直線に進むかといえばそうでなはない。上手に体技がうまくいくこともうればいかないこともある。選手ができたことが今週はできなくなったり、ずっとできなかったことが一気にできるようになったりする。成長したり、ときに停滞、沈滞し、急激な成長を見せたりする。人の成長とは直線的なものではないのだ。

このことを理論化したのがカート・フィッシャーだ。氏が提唱したのがダイナミックスキル理論で、人の成長が、また、成長のプロセスがいかに複雑化を示している。旧来の人材開発においては、前述した、停滞したり、沈滞したりする可能性を見込んでいない。むしろ、理想主義的な直線的な右肩上がりの成長を想定、過度に期待されたりする。マネジメント課題の解決は研修で可能である。コミュニケーションスキルも研修によって改善される。そんな理想主義的な願望をもっているクライアントはいくらでもいる。それに異を唱えるのがダイナミックスキル理論だ。

この理論を前提にすれば、誰かを育てる側のマインドセットや行動は自ずと変化させざるを得ない。相手の停滞、沈滞に寛容にならねばならないし、人の育成に魔法の杖はないということを今一度戒めねばならない。人の親として、メンバーの上司として、誰かの成長を後押しするために、ぼく自身がさらに成長せねばならない。そんな気持ちを新たにしている。


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勝又康仁 人事と組織開発 HR&OD
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