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習慣化に失敗する人、上手く行かない人のメカニズム

今回は、何回かに分けて、ダイエットや勉強など、「よし、明日からやるぞ!!」と計画したが、「うん…まだ時間があるし、今回だけ食べて明日から!!」と失敗してあの時、やっとおけばと後悔する人が、経済学、行動経済学や心理学で考えるとどのようなの人なのかについて、必要な基礎、経済学のモデルで表現すると、自分のことをどれくらい理解しているかで変わる行動の変化に分けて紹介していく予定です。

最近、テレビのCMなどで行動経済学って言う言葉を目にするかもしれませんが、経済学と行動経済学は何が違うのかざっくり簡単に言うと、

行動経済学と経済学の違い

- これまでの経済学 人の消費や行動に性格面や環境を考慮していなかった
- 行動経済学    人の消費や行動に性格や環境を考慮して考えた

っていう違いです。行動経済学では、より日常生活の行動に関連させて人をどのように助けることができるかを考えた学問です。

時間を通じた選択

経済学では、消費について考える時に、現在と将来の2つの時間を考えます。

所持しているお金から、今の消費を我慢して後でたくさん欲しいもの買う。あるいは、今の消費を優先して後の消費を我慢することを選択するかを考えます。

そして、宿題や課題、貯蓄、ダイエットにも、この「今」と「後」の共通点があることがわかります。例えば、「今」頑張って、宿題をして残りの夏休みを思いっきり遊ぶ。あるいは、「今」、思いっきり遊んで「後」から宿題をするという2つの選択があるとします。

つまり、2つの時間の点

- 現在
- 将来

を比較して、どちらの選択を優先するかを考えて行動をすることを経済学では異時点間選択といいます。

今を我慢して将来を我慢する人

経済学では、人の好みを表す指標として効用を使って表現することが多いです

u()

↑これが、経済学で使う人の好みを表すために使う記号です。効用は英語で、utilityといい、この頭文字をとってu()と表現しています。例えば、A君が、

 ・🍎u(50) ・🍊u(30)

の効用を持っているとしたらりんごを選ぶということです。

これを勉強をする、しなという選択に置き換えみると

今、勉強をしないでアニメをみるという選択にu(70)、1日の終わりに勉強をしてからアニメをみるという選択にu(100)という選好を持つ、A君とB君を考える。現在と将来の選択では、今やりたいことをするか、我慢して将来したいことをするという我慢の要素を考える必要があるので、我慢するつらさをh()で表現して考えてみると

・今、勉強をしないでアニメ  u(70)

・勉強してから1日の終わりに勉強をしてからアニメ u(100)

・A君の我慢するというつらさ h(10)

・B君の我慢するというつらさ h(70)

A君:u(100)-h(10)= 90

B君:u(100)-h(70)= 30

となるので、A君は今アニメをみるよりも、勉強をして1日の終わりにアニメをみるという選択をして

B君は勉強してからアニメをみるという選択よりも、今アニメをみる方が効用が高いということなるので、アニメをみることを選択することになります。これを、異時点間選択問題と言って、A君、B君それぞれの我慢のつらさにはなぜ、違いがあったのかを考えることを行動経済学で時間割引率と読んでいます

時間割引率

時間割引率は簡単にいうと、将来の価値をどれくらい割り引いているのかということです。

よく時間割引率の考え方ので使われるのが、A君に「今」1万円をもらうか、「1年月後」に1万1000円もらうかを選んでもらう問題で、A君が「今」1万円をもらうことを選んだとします。

A君の時間割引率はどのくらいかを考えると、割引率は10%となります。つまり、1年まてば今よりも10%多くのお金をもらえたのに、今の1万円を選んだことになります。A君は、待つならもっと高いお金をもらわないと待てないよ!ということです。

割引率の値が高いことを割引率が高い、低いことを割引率が低いと考えます。つまり、高いほど現在に価値をおいていて、低いほど、今と現在の価値はあんまり変わらないということです

時間割引率や、行動経済学についてもっと詳しく知りたい場合は下記の参考文献を参考にして見てください

参考文献

筒井義朗・佐々木俊一郎・山根承子・グレッグ・マルデワ(2017)『行動経済学入門』東洋経済新報社

↑行動経済学の入門書で、行動経済関連の内容をわかりやすく包括的に書いてある本です。初めての方はこちらから入るのがおすすめ

池田新介(2012)『自滅する選択』東洋経済新報社

↑今回のテーマの時間割引率や双曲モデルについて詳しく書いてある本。このテーマをより詳しく知りたい方におすすめ

大垣昌夫・田中沙織(2014)『行動経済学』有斐閣

↑行動経済学に、認知心理学、神経学を入れ込んでいる本。今回のテーマとは少しずれるが中級者向けで心理学と行動経済学方面から学習したい人向け


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