「防災…?大切だけど、うちはそんなに積極的じゃないからなぁ。」 正論では進まない防災を広めるために私たちが取り組んだこと。
防災が社員を守るために必要だとわかっているけど、直接的に売上にはつながらないし、生産性をあげるものでもないから、なかなかコストを掛けづらい。
私たちは、そんな「企業活動のコストである防災」を、新しい切り口で世の中に広げていくために活動しています。
今回のnoteでは、必要性は感じていても行動につながらない ” 防災 ” を広めるために、私たちが取り組んでいることをご紹介します。
大切なことだけど、なかなか上手く広まっていかない、そんな問題やサービスを扱っている方にとって少しでもお役に立てば嬉しいです。
またエンゲージメントの向上やブランディング強化をお考えの企業様にとっても、防災が新しい価値になるきっかけになれば嬉しいです。
(企業様の事例は、「具体的な活用事例のイメージ」からご確認いただけます!)
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はじめまして。防災ベンチャーKOKUAの代表 泉です。私たちは、いのちを守る防災カタログギフト「LIFEGIFT」とパーソナナル防災診断「#pasobo」の販売・運営をしています。
私たちは、大学時代に東日本大震災の被災地支援で出会い、その後10年以上、全国各地の被災地支援を続けてきたメンバーで会社を運営しています。
多くの方から「まさか自分が被災するなんて……」という言葉を聞いてきた経験から、普段の生活から防災が自然と広まる社会を目指して事業を行っています。
防災のきっかけ(0→1)を生み出す事業:「LIFEGIFT」
東日本大震災から10年以上被災地支援を続けてきた私たちが、防災に興味関心がない方に防災のきっかけを届けるためにまず始めたのがLIFEGIFT事業です。
個人の方には結婚や出産・引越し祝いなど新生活のシーンでご利用いただき、法人のお客様には、周年記念や福利厚生、販促などのシーンでご利用いただいています。
必要だからやる→良質なギフト体験が自然と防災につながる
世間一般的に「防災」のイメージは、やはりネガティブな印象が強いように思います。長年、防災や災害に携わってきた中で、
被災された方から、「まさか自分が被災するなんて…」
そんな声をたくさん聞いてきました。
いくら友人や知人に「防災の大切さ」を伝えても、温度差があり、ただ伝えるだけでは限界があると感じるようになりました。
「防災は大切だ」という正論や必要性で行動する層には限界がある。だからこそ、ギフトを贈るという、すでに人々の習慣にあった行為や既存の価値と防災を掛け合わせることで、新しい防災のきっかけづくりを目指しました。
「防災」を前には押し出さず、一目見て惹かれるようなデザイン性と、メッセージ性にこだわり、何もいわなくても「あなたのことが大切だよ」という気持ちが伝わるもの。
そして、相手を思う温かなコミュニケーションによって、防災のきっかけを自然に提供しようと考えました。
やらなきゃいけないものをポジティブに進めていくために必要なこと
ふつうに暮らしていると、ご自身もしくは近しい人が被災をするような経験がなければ、なかなか「防災対策をしよう」というモチベーションは上がらないかもしれません。
そこで私たちは、防災に無関心の方にもギフトを通して防災のきっかけを提供し、ギフトをもらった方がまた新たな贈り手となって防災の機会が循環するような社会を目指しています。またギフトをもらって意欲が高まった方に対しても、防災の手間や難しさをなくす防災診断「#pasobo」を通して、対策までの道筋と手段をお届けする仕組みをつくりました。
必要だとわかっているけれど、興味がなかったり、腰が重たくなっているものを実行してもらうためには
上記2つが必要だと考え、LIFEGIFTと#pasoboによって実現することができれば、防災が自然と生活に馴染み、浸透する世の中になると考えています。
私たちがこれから実現したいこと 法人ギフトの機会に防災を浸透させる
LIFEGIFTをリリースしてもうすぐ丸3年。ありがたいことに、個人の方だけではなく、企業さまのご利用も増えてきました。
下記の3つの領域で、防災カタログギフトの有効性を感じていただいています。
防災はいのちを守るものだからこそ、相手を大切に思っているメッセージ性が伝わりやすく、従業員や取引先、お客様などに対しても、より企業の思いや姿勢が伝わりやすい。だからこそ、従業員の福利厚生やお客様へのキャンペーン、取引先への贈答品など、様々な場面で利用されています。
法人のギフトでは、Amazonギフト券(商品券)、カタログギフト、ボールペンなどが選ばれていました。プレゼントする対象が多いがゆえに、全員の趣味嗜好に合わせたものは贈れないし、世代や性別で偏りが出ても問題になる。また企業としてプレゼントする意味(ブランディングやエンゲージメント向上)を考えると、既製品を贈るだけでは意味がない。
だからこそ、従業員に喜んでもらえる無難で実用的な”もらって困らないもの”、企業のメッセージ性を伝える”名入れ・ロゴ入れされたギフト”が選ばれていました。
実用性だけでは、その企業からもらった意味は薄く、その場限りで終わってしまう。名入れをして意味をもたせようと思うと、逆に貰い手からすると使いづらくなって満足度が下がってしまう。
実際に2023年8月24日〜29日の期間で、法人からのギフトをもらったことのある全国100名の方にアンケートをとると、下記のような結果になりました。
従業員は実用的なもの(カタログギフト・ギフト券・現金)などを貰いたい反面、企業は自分たちの想いや贈る意味(エンゲージメント向上・理念の浸透)をもたせたい。
私たちはそんな既存の法人ギフトの新しい選択肢として、防災を提案していきたいと考えています。
防災はいのちを守るものだからこそ、相手を大切に想うメッセージ性が届きやすい。世代や性別にとらわれず、誰もが必要だけど自分では買わないものです。
だからこそ、法人ギフトの新たな選択肢として、浸透させていきたいと考えています。
具体的な活用事例のイメージ
(1)自社の販促キャンペーンとして
キャンペーン商品を探していたときに、せっかくやるならお客様にとっても価値があり、社会的にも意義のあるものを選んでいきたい、というご担当者さまの声から、LIFEGIFT Foodをご使用いただきました。
予想以上に好感触で、SNSの反応率も非常に高かったとのこと。キャンペーンの目的であったフォロワーも1000名ほど増加し、現在LIFEGIFTシリーズの再注文をご検討いただいております。
(2)自社の社員エンゲージメント&顧客ロイヤリティ向上
2つ目は、会社の周年記念品。今年は意味のあるアイテムにしたいと思っていたときに、防災ギフトの存在を知り、従業員の方に配布。また、毎年送っている取引先や社外の関係者を含めたイベント参加のお礼品としてもご利用いただきました。
社内・従業員の反応
取引先さまの反応
今回は、LIFEGIFTの企業事例をお伝えしましたが、
自治体からも、防災力強化のために#pasobo導入の問い合わせがきていたり、不動産業界や小売なども、具体的な防災対策の提案ができることで、顧客満足度やブランディングにもつながるとして、防災を価値として感じていただける企業様が少しずつ増えてきています。
(企業さまの導入事例や詳細については、長くなってしまうのでまた後日別記事としてまとめさせていただきます。)
1対1ではなく、1対100の防災へ
ギフトや診断を通して、個人の方の防災のきっかけを提供してきましたが、首都直下型地震、南海トラフ巨大地震、激甚化する豪雨・台風災害など、大規模な災害に対する防災対策を進めるには、あまり時間が残されていません。
だからこそ、個人間のギフトを通した防災のきっかけを循環させるだけではなく、今後は企業という強いつながりと大きなコミュニティに対して、防災の価値を伝えていくことで、一気に防災を広げていきたいと考えています。
個人のギフトによる防災の循環(1対1)から、企業の事業活動へ防災を浸透させる(1対100)ことを通して、防災を加速度的に広める。
それは、私たちだけの力では無し得ない、とても強大なインパクトです。
今すでにある事業活動の中に、今までコストと感じられていた「防災」を取り入れ、新しい防災の価値をつくっていく。
そして社員・顧客・取引先が純粋にもらって嬉しい体験を感じながら、それぞれの方やその方の家族の命も自然と守ることにつながる。
そうして、負荷なく自然に防災を広めていくことで、災害大国である日本全体のレジリエンスを高められると信じています。
私たちもまだまだ発展途上ですが、防災にかける想いはとても強く、ひとりでも多くの方を、防げるはずの被害から守りたいと思っています。
周囲の大切な方や、社員様、取引先様、お客様に喜んでいただきながら、大切な方々の命も守ることにつながる。
そんな思想に少しでも共感いただけたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
株式会社KOKUA
代表取締役 泉勇作
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