その日がくるなんて思えないから。防災と私の距離を埋めたくて取り組んだこと#pasobo 改修レポート
「まさか自分が被災するなんて…」
2011年3月11日 14持46分
世界がひっくり返ったように感じた。
あんなことが起こるなんて誰も思っていなくて、いつもの毎日がずっと続くと思っていた。テレビで流れている映像が別の国のことのように感じながら、日本人として何かしないといけない。そう強く感じたのを今でも覚えている。
そこから13年。東日本大震災をはじめ、全国各地で災害が起こる度に被災地支援を続け、そこで出会ったメンバーと防災を広めるために立ち上げた会社は今年で4期目になりました。
「まさか自分が被災するなんて…」
そんな言葉をもう何度聞いたかわからないぐらい、普段から防災を意識することは難しい。それを少しでも変えたくて会社を始めました。
普段の生活から防災のきっかけを自然と生み出せるように作った防災カタログギフトLIFEGIFTや、WEB上でいくつかの質問をするだけで、自分に必要な防災対策や防災グッズが買える防災診断EC pasoboなど、様々な形で防災の普及を目指しています。
誰もその日がくるなんて思えない
子どもの背が伸びる度に成長の記録を刻んだ家の柱。
家族で照れくさくなりながら撮った写真。
学校帰りに歩いていた河川敷。
災害はすべてを奪い去っていく。モノも思い出も何かも。
それでも毎日の生活は続いていく。家や大切なものもなくなって、それでも生きなきゃいけない。どうしようもなくて、ただ悲しそうに笑うしかなかった人の姿を被災地で何度も見てきました。
先日の能登半島地震についても、発災から約1週間後と1ヶ月後の計2回、一般社団法人危機管理教育研究所様と一緒に支援活動を行ってきました。
そこで出会った誰もが、その日がくるなんて思っていませんでした。
発災してから約1週間後、現地で物資供給の支援のために街を歩いていると、とある70代ぐらいの女性から声をかけられました。
当時、断水が続いていたこともあり、飲料水はもちろん、トイレやお風呂、手を洗うことや口を濯ぐことも満足にできない状況でした。
いつもは蛇口を捻れば当たり前に綺麗な水がいくらでも手に入る。でも、当たり前すぎてそれが無くなることを想像できないから、備えられないのかもしれません。
避難所で物資を配っていると、30代ぐらいの女性の方から声をかけられました。話を聞いてみると発災して1週間着替えができていない状況でした。小さなお子さんもいて、子どもだけでも何とか着替えさせたいとつらそうに話してくださいました。
避難所にいけば何とかなる。そう思う方も多いかもしれません。でも避難所の備蓄や物資でおくられてくるものが、必ずしも自分の必要としているものとは限りません。何が必要かと聞かれてすぐに出てこないような普段使っているものが、本当に必要なものだったりします。
防災と私の距離を埋めたくて取り組んだこと
被災地に行く度に感じる温度差。被災地では今も苦しい想いをしている方がたくさんいる一方で、そこにいない私たちはつい何事もなかったかのように忘れてしまう。地震がおこった直後は、「怖いな…何かしないと」と思うのに、毎日の忙しさのせいでその気持ちは失われてしまう。
そんな防災との距離を少しでも埋めるために、能登半島地震での体験を踏まえて、パーソナライズ防災サービスpasoboのサービス改善を行いました。
まだまだ防災を広めていくためには足りないところが多く、以前からもサービスの改善を続けています。
今回の能登半島地震の経験を踏まえて、
・大切な人のことを考えること
・自分事として感じられること
・わかりやすく伝えること
こうした点を意識して改善しています。
大切な人のことを考えること
自分一人だったら何とでもなるし大丈夫だろうと考えてしまう。でも大切なパートナーや自分の子どものためだったら行動を変えられるかもしれない。
以前よりもそうした想いを感じてもらえるようにファーストビューを変更しました。
自分事として感じられること
防災は住んでいる場所や世帯構成によっても、必要な対策や備えるべきことは異なります。子どものいるご家庭と高齢者のいるご家庭、自宅での避難と避難所での避難など、一目で自分事として感じてもらえるように診断結果の内容を変更しました。自分事に思っていただけるように、避難する場所のイメージや、ご自身の世帯構成のイメージ、必要な防災グッズのイメージなどをわかりやすく伝わるように修正しています。
わかりやすく伝えること
今までのサイトでは、防災の必要性やpasoboの特徴は伝えていたものの、文章が長くなりがちだったり、サービス提供者としての表現が多くなってしまっていました。
お客様とのインタビューを続ける中で、より端的にわかりやすい表現やお客様目線での悩みや課題に寄り添った表現に変更しました。
最後に
お読みいただきありがとうございました。
大切な家族やご自身の身を守るためにも、まずはこの機会に自分の災害リスクを知ることから初めてみていただけると嬉しいです。
自分の住んでいる場所が、そもそもどの程度のリスクがあるのか。そういったことを知ることが、防災につながると思っています。
災害リスクの診断はこちらから↓
(診断は完全無料で、個人情報の登録も不要で実施できます。)
また現在、能登半島地震の被災された方に対して、キャンペーンも実施しています。3月17日まで1RT or 1リプライで能登半島地震で被災された方に対して10円の寄付を行っています。よろしければこちらもご協力いただけると嬉しいです。
キャンペーンに込めた想いはこちら
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