どんな風にも一切動じない強い人間になんてなれなくてもいいじゃん

『繊細ながんばり屋さんが生きづらさを手放すための55の禅語集』出版への道　〜其の四十六〜

ジブンを貫こうと思っても、いつの間にかその時々の状況や時勢に流されてしまいませんか？

『八風吹不動』
順境にあって物事がうまくいっている時も
逆境にあって八方塞がりの時も
平常心で生きることが大切

禅の世界では、心を動揺させる状況のことを八風と例えることがあり、人生山あり谷あり順風もあれば逆風もあるものだが、ただ風に流されるように生きていると自分自身を見失ってしまうということを戒める言葉なのです。

どのような風が吹こうと（どんな状況に陥ろうと）真正面からその風を受け止める。

決してオロオロせず、流されず、状況を冷静に見極めてその場でできる最善を尽くす。

そんな「不動心」をもって自らの信じる道に従って行動しようという心構えです。

さて、ここまでの解説を読んであなたの心はどう反応しているでしょうか。

耳が痛くなるような指摘だと感じましたか？

この教えについては問題ないと感じましたか？

どちらが良い悪いという話ではないのですが、ぼくは完全に逆風に強いタイプです。

どのような風が吹こうと、立ち向かい、闘います。

しかし順風にはどうも浮足立つというか、その栄華が永続するかのように考えてしまって、急転直下で足元をすくわれてしまったことが何度もあります。

そのような経験と後悔から、ぼくはこの言葉を以下のように解釈しています。

「風に流されない強さ」を身につけることを推奨しているのではなく、今どのような風が吹いている状況なのかを「正しく見極める感性」が重要である、と。

人間なんてそんなもんだと皮肉を言いたい訳ではないですが、確固たるジブンを築いて不動の心で生きていくことができる人はほんの一握りで、大半の人はいつもその時々の不完全で未熟な自分と折り合いをつけながら生きてくしかないのが現実ではないでしょうか。

どんな風にも一切動じない強い人間になんて
なれなくてもいい

それよりも、どのような風にさらされてもそれをうまく乗りこなして自由に大空を飛び回る、しなやかで柔らかい強さを身につけていきたいものですね。

合掌

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