自分のために「察してよ」はただのお子ちゃまじゃありませんかしら？

『繊細ながんばり屋さんが生きづらさを手放すための55の禅語集』出版への道　〜其の五十〜

自分の気分や感情を「察してくれ」と思っても、伝わらないでイライラしてませんか？

『以心伝心』
悟りや心理は言葉で説明するものではなく
心から心へ直接伝えるものである

この言葉は、禅語としてというよりも一般化した言葉として日常的に使われているかと思いますが、意外とその本質を正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。

あなたはこの言葉の意味を「気持ちは言葉にしなくても伝わる」ということだと思っていませんか？

それは決して間違っているわけではないのですが、本来の意味とはちょこっとだけ焦点がズレてしまっています。

この禅語が示す本質的な意味は「本当に大切なことは、（野暮な説明をしなくても）こころに自然と伝わっていく」ということなのです。

つまり何が言いたいかというと「なんでもかんでも」言葉にしなくても伝わる訳じゃないということ。　

　・人に言われてちょっと傷ついたこと？言葉にしましょう。
　・無神経な振る舞いにイラッとしたこと？言葉にしましょう。
　・なにげない気遣いに救われて感謝してること？言葉にしましょう。

これらの感情を「言わなくても察してよ」というのは子どものワガママのようなもの。

自分の感情を適切な言葉を選んで相手に伝えることは、成熟した大人のエチケットであり良い人間関係を築くための作法ではないでしょうか。

そうではなくて、本当の意味で『以心伝心』できるのは「あなたのことを、何者でなくとも愛してるから。そのままでいいんだよ」という類の想いです。

こちらはわざわざ言葉にせずとも、隣にそっと寄り添ってなにも言わずに手を握るだけで、こころに直接沁みわたるでしょう。

大事なことなので繰り返しておきます。

自分のために「察してよ」はただのお子ちゃまで、相手のために「大丈夫 わかってるからね」は大人の思いやりです。

「あえて言葉にすべきこと」と「あえて言葉にしないこと」

これを使い分けられるだけで、自作自演の生きづらさからフワッと解放されて人間関係のストレスが激減するので、ぜひぜひ今日から意識してみてくださいね！

合掌

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