【部下のモチベーションアップに繋がる】リーダーなら知っておきたい「ビジョン」の大切さ
こんにちは、ライフシフトnote担当です。
今回は、弊社の大隅 裕之講師が執筆する、
仕事における「ビジョンの大切さ」についてお届けします。
周りのメンバーのモチベーションアップにも大きく繋がるお話ですので、
ぜひ皆さんにご一読いただければ幸いです!
日産自動車にて商品企画・マーケティングを経て、人事部門でキャリアコーチとして次世代経営リーダー候補の発掘・育成に従事。その後、人財開発インストラクターとして日産グループ内のリーダー育成研修、キャリア開発研修など豊富な講師経験をもつ。早稲田大学理工学部卒業。保有資格:プロフェッショナルコーチ(GLLC認定)、キャリアコンサルタント(国家資格)、キャリアカウンセラー(GCDF-Japan)
リーダーの皆さんはビジョンを持ってますか?そしてそれをメンバーに語ってますか?
「ビジョンや思い・夢を持って仕事をした方がいいとは思うけど、
それは理想論であって、実際そんなヒマないよ!」
と言われちゃいそうですね。
そのお気持ちはよくわかります。
ビジョンなんてなくても仕事は進みますし、誰からも叱られませんからね。
でも、リーダーとして求められる行動の一つが、
「明確なビジョンを示し、説得力のあるわかりやすいメッセージを共有しながら、相手を動機づけること」なのです。
IHIや東芝の社長として、また経団連の会長も歴任した名経営者の一人、
土光敏夫氏はビジョンについてこんな言葉を残しています。
「常に将来へのビジョンを描いておけ。それが人々に希望を植えつける。」
「従業員はビジョンを共有することによって、自分がその集団に所属する意味を見出す。」
そしてこれは、当時工場に勤める女性従業員から寄せられた手紙の内容だそうです。
「私は今まで単純な作業に従いながら、来る日も来る日も無自覚に過ごしてきました。
ある日、この工場を世界一のモーター工場にするので私たちにも参加してほしいとトップから言われました。
自分の仕事がこんなに素晴らしいものだと感じたのは初めての経験でした。」
チームメンバーは、上位者からビジョンを伝えられることで、
たとえこれまでと同じ仕事をしていても、そこに意味づけができ、
モチベーションが上がるのです。
ビジョンや思いを持っているリーダーの方がモチベーションは高いですし、
それに共感・共鳴してくれたメンバーもまたモチベーションが間違いなく高まります。
リーダーはビジョンを持ち、そしてそれをメンバーに伝えましょう!
ビジョンに求められる5つの要件
しかし、いきなり「ビジョンや思い、夢を語れ」と言われても、
戸惑ってしまいますよね。
まずはメンバーを奮い立たせるような魅力的なビジョンを考えるための5つの要素をお伝えします。
<ビジョンに求められる要件>
リーダーの強い思いが感じられること (自分の言葉で思いを伝えましょう)
ワクワク感・夢・情熱が感じられること (聞いたメンバーがワクワクするような夢を語ってください)
チャレンジングであること (簡単に実現できてしまうビジョンはあまり魅力的ではありません)
オリジナリティがあること (自分たちの組織・チームらしいビジョンって何でしょう?)
具体的にイメージがわくこと (リーダーもメンバーも映像が目に浮かぶようなビジョンがいいですね)
先ほどの土光氏の話の中に「この工場を世界一のモーター工場にしたい!」というビジョンが出てきましたが、
シンプルな言葉の中に、リーダーの思い、夢、情熱がつまっていますよね。こんな感じでいいのです。
ところが、真面目なリーダーの方ほど、
「ビジョンの中に数値目標をたくさん織り込んで、業務目標のようになってしまった」という
失敗例がとても多く見られます。
ここで「ビジョン」と「目標」の違いについて考えてみましょう。
ビジョンと目標の違い
「目標(業務目標)」は、絶対になくてはならないものです。
会社全体にも部門にも部署にも課やチームにも必ず目標はありますよね。
一方、「ビジョン」というのはいつも見えていて、
自分たちの拠りどころとして輝いている太陽や北極星に近い存在かもしれません。
「目標」と「ビジョン」について、
こんな風に考えてみてはいかがでしょうか?
・目標:人が生きていくために最低限必要な
「衣食住(着るもの、食べるもの、住むところ)」のようなもの
・ビジョン:それがなくても生きていけるが、
あることで人生がより一層潤ったり、楽しくなる「趣味」のようなもの
あるいは
・目標:左脳で考えるRationalなもの
・ビジョン:右脳で考えるEmotionalなもの
つまり
・目標:業務目標がないと仕事は全く回らないが、それだけでは何だかもの足りない
・ビジョン:業務目標の先にビジョンがあると、より一層ワクワクした気持ちで仕事ができる
ということなのです。
皆さん、どうでしょうか?
自分の言葉でビジョンを語れそうになってきましたか?
繰り返しになりますが、リーダーが自分の言葉で夢や思いを語ることで、
同じ仕事でもそこに意味づけがされたり、意義が感じられ、
メンバーたちもモチベーションが上がり、ワクワクしながらその仕事に取り組んでくれるのです。
最後に、吉田松陰が残したこんな言葉で締めくくりたいと思います。
・夢なき者に 理想なし
・理想なきものに 計画なし
・計画なきものに 成功なし
・故に 夢なき者に 成功なし
つまり、成功のためにはビジョンが必要だということなのです。
リーダーの皆さんが、ご自身の組織やチームのビジョンや夢、
熱い思いを語ることで、
メンバーのモチベーションのギアが一段階アップすることを期待しています!