「あたしプチ断食始める」

「あたしプチ断食始める」

妻がそれを言い出したのは娘をお風呂に入れた後のこと。
彼女がおせんべいを食べてからまだ30分と経っていなかった。
そしてちょうど夕食前の時間だった。

え、お腹減ってるんですけど。。

妻が何かを始めるときはいつも突然。
思いつきなんだろうけど、思いつきからの行動が早い。

「最近外が続いたから胃が重かったんだよね」

確かに、9月に入ってからまだ半分も自宅にいれていない。
10日からは会津⇒福島⇒郡山⇒土浦⇒つくばと移動が続き、
18日に一晩だけ家に帰ってまた19日、20日と仕事で日高へとお泊まり。
確かに普段はめったに食べない白米や動物性タンパク質をがっつりと食べた。
そういえば僕の胃というかお腹周りも少々・・・。

「明日は秋分の日だし、明後日は新月だからちょうどいいと思う。ね、やろう」

案の定、僕も巻き込む気だ。
断食なんてさすがにおれは無理。腹が減っては何も手につきませぬ。
さすがに正直にそう伝えた。さらに

「あなた、空腹だと絶対イライラするでしょ」

これは確かな分析だ。これまでも妻は空腹だと機嫌が悪くなるのだ。

「そんなのやってみなきゃわかんないじゃん」

と妻は答えた。
わかりますとも。イライラしませんと否定できないあたりがそれを物語っている。

僕は空腹だと絶対イライラする。そしたらイライラ同士ぶつかる。
そしたらケンカだ、ケンカ。わっしょい、わっしょいだ。

その後も断食をやろう、やったほうがいい、と暦のことや断食のウンチクやらを一生懸命説明されたものの、僕の意志は固く、どうやら一緒に断食は諦めたようだ。

自分が断食するからって今夜はごはん作らないんじゃないか。
そんな不安が一瞬よぎったが、彼女は

「こうすけは断食しないけど粗食ね」

と言って夕食を用意してくれた。
おー、粗食でも全然構わないぜ。用意してくれたんだ。ちょっと嬉しい。

妻は明日の朝と昼も抜くんだと言っていた。
さて、持つのかどうか。ケンカしないで済むのかどうか、明日になってみないことにはわからない。

※この内容は2014/9/22に書いたものです。

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