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コミュニケーションの心理学2 類似性効果

私たちは趣味が同じだったり、自分と似た考え方だったりする人に好感を持つことが多く、仲良くなることができます。

このことを心理学では類似性効果といいます。


1.類似性効果とは

普段は意識することが少ないかもしれませんが、私たちは本能的に「一緒だね」という共通点があると、心の距離が近づき、相手に好感を持ちます。

そして、共通点が多ければ多いほど、類似性効果は強く発揮されます。

なぜなら、人は共通点が多い相手を通して、自分自身も正しいと安心することができるからです。

ですから、初めて会った人と仲良くなりたい、上司や同僚、お客様との関係性を深めたいと思ったら、まずはお互いの共通点を見つけられるように意識してみましょう。

2.共通点を見つけるコツ

とはいうものの、人それぞれに価値観があり、大切にしているものやことが違います。

例えば、「出身地が一緒だね」「同じ学年だね」「血液型が同じだね」「星座が同じだね」「好きな食べ物が一緒だね」ということがあれば、ご縁を大切にして会話を深めていきましょう。

そうでなければ、世の中は広いですし、幅広い年代層の人と一緒に活動しています。血液型は4種類、星座も12種類あります。食べ物の好みも人それぞれです。なかなかピッタリ一緒ということはないかもしれません。

ですから、共通点を見つけるためにはコツが必要です。「一緒だね」という共通点を見つけるためには、3つのコツがあります。

①質問する

例えば、テレパシーのような特殊能力があれば、わざわざコミュニケーションを取らなくても、相手の趣味や嗜好を知ることができるかもしれません。

ただ、残念ながら多くの場合、そういった特殊能力を持ち合わせていることはありませんので、言葉にしなければ知ることができません。

だとすると、コミュニケーションを通じて質問したり、確認したりする以外に、お互いの共通点を知る方法はありません。

質問には、必要な情報を手に入れたり、コミュニケーションを促進したりする効果があります。

②共感する

「一緒だね」という共通点が見つかったら、嬉しいですね。

共通点がたくさんあるということは、価値観が同じだったり、考え方が似ていたりすることともいえます。

共通点が見つかったら、嬉しい気持ちを分かち合いながら、「いいですね」「そうですよね」と共感していることを伝えましょう。

③心の視野を広げる

共通点をピンポイントで見つけようとしても、偶然一緒だということもありますが、なかなか見つかりません。

私の趣味はマラソンです。中学・高校と陸上部で長距離を走っていましたので、社会人になってからも走っていて、ときどき大会にも出ています。

この話を、社員研修やセミナーですることがあります。受講者が30人いると、1人から2人が「私もマラソンをします」と手をあげてくださる感覚です。

ご縁があって一緒だと嬉しいのですが、そうでなければ話はそれ以上深まりません。

例えば、何もスポーツや運動はマラソンだけではありません。野球やサッカー、バスケットボールやバレーボールなど、みんなで一緒に楽しむスポーツがあります。

マラソンや陸上だけでなく、自転車や水泳、筋トレやジムに通うなど、一人で気軽に取り組むことができるスポーツや運動もあります。

今はやっていないけど、以前は楽しんでいたということもありますし、自分がやらないまでもスポーツ観戦が好きという人もいるでしょう。

このように、心の視野を広げていくと、ピンポイントで「一緒だね」ということはなかったとしても、「球技が好き」「運動すると気持ちがいい」「スポーツ観戦が好き」といった共通点を見出すことができます。

共通点を見つけるためには、ピンポイントで同じを見つけようとするのではなく、心の視野を広げて、広いくくりから、徐々に共通点を見つけられるように絞り込んでいくといいでしょう。

3.類似性効果の注意点

多くの場合、類似性効果は効果的です。

ただ、自分に高い自信がある人は、反対に自分に似ていないことを相手に求めることがあります。

それは、相手とは違うことを受け入れることができる余裕があったり、相手とは違うことでプライドが満たされたりするからです。

このような場合には、お互いの違いを尊重することも必要です。

まとめ

類似性効果を意識することは、気軽に取り組むことができて効果が高い法です。

しかし、相手と仲良くなりたいからといって、いきなり質問攻めにしてしまうと、応えにくくなってしまいます。

まずは自己開示して自分のことを話してから、相手に質問をするといいでしょう。

ぜひ「一緒だね」という共通点を見つけられるように、相手との会話を楽しみながら取り組んでみてくださいね。

「心の距離を近づけるために、どんな工夫ができますか?」

おりやまあさひ


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