叶わなかった【父の日】。葬儀場へ届けられた紫陽花にじーん。
とても仲の良いご家族さまのお葬式を担当させて頂いた時の話。
とても和気あいあいのお客様で、何かご相談がある時はいつもみんなで来てくださるようなお客さまです。一つのご相談にわざわざ5人で来てくださるので私もびっくりしてお迎えしておりました。
亡くなられたのはおじいちゃん。ご家族さまが思っていたより突然のご逝去だったようです。
お亡くなりになると、ご家族さまは悲しいだけではなくこれから行わなければならないお葬式の準備に追われてしまいます。この夜もそうでした。糸島市にある私の葬儀場へお連れして、故人さまをお布団にお寝かせします。そのまま続けて葬儀のお打ち合わせです。
その後は、
「病院へ駆けつけてからなんの用意もしていないので、明日朝からお伺いします。。。」
「分かりました。それでは丁重にお預かりさせていただきます。気をつけてお帰りください。」
そう言ってお帰りになりました。
翌朝、予定よりも1時間程度遅くにご家族さまがお見えになり、故人さまがご安置されているお部屋へ来られました。
すぐに私もお部屋へご挨拶に向かいました。すると、故人さまの枕元に、
【お父さんありがとう】
の名札がついた、紫陽花の花が飾られておりました。
「わぁ、父の日のプレゼントですか?素敵ですね。」
「毎年恒例行事だったんですが、今年は間に合いませんでしたので・・・・せめてここで飾りたくて。」
この様な記念日を忘れない家族さんっていいですね。なんだかホッコリしました。
こうやって亡き人の為に送ろうとする家族さまも素敵ですし、贈られる故人さまのお人柄でもあるのでしょうね。
亡くなった人への想いは尽きないと思います。そんな気持ちを少しでも柔らかくしてくれるのは、残された方の故人様への想いをカタチにしたときなのでしょうか。
私達、葬儀社には提供出来ない、
心からのおくりもの。
亡くなってからお葬式までの『限られた時間』だからこそ、とても深く意味のある事なんだと思います。
私が思う、理想のお葬式は、ここにあると思っています。私達葬儀社はあくまで脇役。
残された家族の方や参列する方にとって、
意義のあるお別れ。
この人と縁があって良かったなぁ
と、心から思ってもらえる様なさりげない事が提供出来る葬儀社を目指していきたいと思います。
そんな私が勤める、
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