仕事は楽しいのか
ーー仕事は楽しいか
ある学者は言います。遊びやレジャーよりも楽しめて没頭できる活動こそ「仕事」なんだと。これをはじめて聞いたとき、信じられないような言葉にわたしは耳を疑ってしまったのですが、、、人が「物事に没頭するプロセス」を研究するとそのような事実が浮かび上がってくる。問題は仕事の在り方なのです。
つまり、仕事というアクティビティーをわたしたち人類が楽しめる環境は作れるということです!
本来楽しいはずのものが、辛くつまらないものばかりなのはどうしてか?ある研究が示唆するところによれば仕事に対するその動機づけに問題があると言います。仕事の動機づけ、すなわち「報酬」の在り方です。
ほぼ全ての職場では、報酬によって仕事は成立しています。より高い年収を目指して転職したり、売上目標を達成したらボーナスに反映されるしくみがあったり。。。ところが、ある実験によれば、「報酬」を提示されたグループより、提示されなかったグループのほうが課題解決のスピードも質も高くなるという事実が明らかになってきた。。。課題が複雑化するほどこの違いは顕著になります。報酬を提示すると意識が報酬に向かい、人間の "創造力" が阻害されるからです。
現代では、事務であれ裏方であれ、ほぼすべての仕事は複雑化し、さまざまな連携や効率化を要求されます。全く頭を使わない仕事なんてほぼ皆無。あらゆる場面で大なり小なり "創造力" が要求されています。
産業革命当時、反復作業ばかりだった時代に通用したのやり方を現代まで引きずっているとも言えます。創造力を伴う活動には、このやり方は逆効果です。このギャップこそが仕事を極度に苦痛にさせている原因です。
高度に複雑化した現代社会では、「100万円でこの課題を解決してください」というよりも、「困っている人を助けてあげたい」とか「楽しいからやってる」といった内的動機づけによるほうが、成果があがるのです。言われなくても、みなさんも実感として感じているのではないでしょうか?
これからは多くの企業は、給与や年俸といった報酬以外の要素や仕事の場をいかに提示できるかが、よりよい人材とよりよい成果を発揮できる鍵になることでしょう。大企業のネームバリューであったり、巨額の年俸といった条件はそれほど重要な要素でなくなると思います。求人を見ていても、既にそういう兆候はあります。年収は高いことがよいのではなく、自身の生活の身の丈にあっていることが大事なのです。そうは思いませんか?
もっと言えば生きることに不安を感じない環境、ただ生きていて良い社会があればよいのです。人は生きる保障さえあれば0円でだって(むしろ0円のほうが)より高い成果をもたらす仕事ができるでしょう。世の中が順調に成長すれば、ひょっとしたらわたしが生きているうちにそのような社会が実現されるかもしれません。
そういった視点で、就職活動や転職をされてみると良いのではないかと思います。また、要職についている方や採用に携わっている方は、このような観点をもっていれば将来的によい人材は必ず集まってくると思います。
関連する過去記事