弟子屈で『居心地のいい図書館』を一緒に作りませんか? Vol.8
先日、弟子屈町で行われた『地域教育フォーラム』に参加して来ました。
今回はそのレポートです。
あくまでも個人的な視点で感じたことをお話ししますので、ご了承下さい。
地域教育フォーラムって?
まずはフォーラムの概要です。
主催:(一社)北海道中小企業家同友会くしろ支部
後援:北海道教育庁釧路教育局、北海道弟子屈町教育委員会、弟子屈町商工会
テーマ:地域課題解決は人づくりから!地域教育の意義
【第1部 基調講演】
◇テーマ:「地域での人材育成の必要性・可能性」
◇講 師:(株)オフィス鶴羽 代表取締役 鶴羽 佳子 氏
【第2部 パネルディスカッション】
「学校と地域の協働“わが町”だからできること」
<パネラー>
◇鶴羽 佳子 氏
◇加藤 誠 氏(北海道弟子屈高等学校校長)
◇竹森 英彦 氏(弟子屈町商工会会長、同友会摩周地区会幹事長)
<コーディネーター>
◇川上 椋輔 氏(弟子屈町地域おこし協力隊)
講師に鶴羽 佳子さんをお迎えして、主に弟子屈高校を存続するために必要なことを、他の地域の成功例を交えてお話しいただきました。
<鶴羽 佳子さんプロフィール>
大分県出身。千葉大学教育学部を卒業後HBCに入社、退社後は
フリーとなりNHK札幌放送局でキャスターを務める。
現在は株式会社オフィス鶴羽代表として研修・講演活動の他、総
合型地域スポーツクラブ「さっぽろ運動あそびクラブ」を立ち上
げ活動している。文部科学省中央教育審議会臨時委員など教育関
連の公職も多数。
第1部「地域での人材育成の必要性・可能性」
第1部は鶴羽 佳子さんによる基調講演でした。
すべてをお伝えすることは難しいので、印象に残ったことだけをお伝えします。
・弟子屈の自然について
弟子屈町の自然が美しく雄大なことは皆さんもおわかりかと思いますが、今回鶴羽さんがおっしゃっていたのは、その素晴らしさのPRについて。
1つの例として“雲海”についてあげられていました。
北海道の雲海で有名なスポットとしてトマムがあります。
なんと雲海テラスには世界中から年間13万人もの人が訪れるそうです。
さすが星野リゾート‼一昔前のトマムと言えばスキー場としては有名でしたが、今は雲海テラスも加わって、オールシーズン集客を見込める地域に変わっているようです。
さて弟子屈町はどうでしょうか?
弟子屈町には摩周湖と屈斜路湖の二ヶ所で雲海が発生します。
また屈斜路湖は日本一のカルデラです。
その二つの雲海をロープウェイ等使わずに車で行けて、更には摩周湖第1、第3展望台、津別峠、美幌峠、藻琴峠と色々な場所から見ることができます。
これって凄いことなんです!
この町にずっと住んでいると、この素晴らしい自然が当たり前になってしまって、その価値を見過ごしてしまいがちです。
そのことを鶴羽さんも強くおっしゃっていて、『ダブル雲海』とか『日本一の雲海』とかキャッチフレーズを付けて、もっとPRするべきだとのことでした。
・コミニュケーションの必要性
現在、ニートと呼ばれる人達が全国に約77万人もいるそうです。
そのため"自立した子供を育てる"ことは社会の課題となっています。
そこで必要になって来るのがコミニュケーションです。
コミニュケーションとは話すこと、聞くこと。
すなわち会話ができるということですね。
会話は相手がいないとできません。
会話をすることで、相手から反応が返ってきます。
これを仕事に置き換えると、会話が出来る人は聞いて教えてもらうことが出来る人と言うことになります。
ちゃんと会話が出来る子供を育てることの大事さを強くおっしゃっていました。
・他の地域での取り組み
少子化の今、弟子屈町の様に生徒数の減少や統廃合の危機にある学校を抱える地域が全国にはたくさんあります。
その中で、生徒数を増やして成功している例をいくつか紹介してくれました。
〈島根県立隠岐島前高校〉
廃校の危機からたった8年で生徒数が2倍へ!
県外からの募集を、学校を核に官民共同による地方創生プロジェクトとして実施
不登校児の受け入れ
〈北海道奥尻高校〉
約半数が島留学生の高校
道立から町立へ移管し、スキューバダイビングの授業を取り入れ、地元の漁師さんが教えて、潜水士の資格取得ができる
1人の島留学生に1組の島親がつく"島親制度"
他にも北海道幌加内高校や高知県土佐山学舎についてもお話しされていました。
気になる方はネット等で調べてみて下さい。
成功している所の秘訣は地域のみなさんが町ぐるみ、地域総出で何とかしようと動き始めたことだそうです。
誰かがやるだけでは変わらない。
でもみんなでやれば弟子屈も変わるかもしれない。
そう思いました。
第1部のお話しを通して鶴羽さんは
"学校の中で解決せず地域で考える"
"偏差値重視から個々の能力重視の時代"
とおっしゃっていました。
第2部「学校と地域の協働 "わが町"だからできること」
第2部は鶴羽さんに加え、弟子屈高校の校長先生、弟子屈町商工会長さんの3人によるパネルディスカッション。
コーディネーターとして地域おこし協力隊の川上さんが進行をしてくれました。
鶴羽さんから参加者に向けて"探求"って知っていますか?と質問がありました。
手が上がったのはほんの数名。
探求とは課題を探して、研究し答えを導き出すことです。
探求がうまくいっていない学校が多いですが、それは探求の授業が押し付けになっているからだとおっしゃていました。
探求することを“恋“に例え、探求することにときめいて『キュン!』となることが大事だとお話されていました。
子供たちが自ら考えたくなる探求活動が必要なんですね。
校長先生からは、現在の弟子屈高校についてお話いただきました。
なんと!弟子屈高校では探求活動に力を入れているそうです。
3年間を通して横断的・総合的に学習しているとのこと。
また、無料で通うことのできる弟子屈町公営塾やバス通学費全額補助等、高校を支えるための町の支援についてもお話していらっしゃいました。
そして商工会長さんからは、弟子屈高校の生徒に対して町の企業が面接指導や、職場実習を行う取組みをしているというお話をしていただきました。
中学生の職場体験に関する調査によると“職場体験の時に地域の大人とたくさん話せた子”は終了後のアンケートで“故郷が魅力的”と感じる率が高かったそうです。
また、ご自身の夢として『弟子屈版キッザニア』をやってみたいと発表して下さいました。子供たちに“弟子屈でこんな仕事ができるんだよ”と楽しく体験してもらいながら伝えたいんだと...。
その思いに心打たれました。
フォーラムを終えて
今回フォーラムに参加して、弟子屈高校の先生はもちろんのこと、弟子屈町も町の企業も地域全体が高校を支えるために様々な取組みを行い協力しているということがわかりました。
たくさんの人が魅力を感じる自然があり、高校では探求活動に力を入れ、地域からの協力もあるなかで、現状弟子屈高校への入学希望者が少ないのはどうしてでしょう?
様々な問題や課題があるなかで、ここからは私が感じていることをお話します。
・親たちが知らない
私自身、小学生と中学生を持つ母親です。
中学生の娘に関しては、中学校入学時から進路についての話が学校や家庭で度々持たれますが、今回聞いた弟子屈高校や商工会の取り組みについてはあまり知りませんでした。
・根強い偏差値重視の考え
鶴羽さんがおっしゃっていた偏差値重視から個々の能力重視について。
私はほかの講演会等でも同じようなことを耳にすることが多いので、最近だんだん気づいてきたところですが、おそらく今の小中学生の親世代はまだまだ偏差値重視だと思っている方が多いのではないでしょうか?
私だって未だに、子供にテストではいい点を取って欲しいとか、勉強をしていい高校や大学に入って欲しいとか考えてしまうことが多いです。
このことから、やっぱり情報が不足しているなぁと感じました。
知らないから行かせたい高校として候補に挙がらない気がします。
たぶん、このフォーラムにもっとたくさんの小中学生の親が参加して、鶴羽さんや他の方々のお話を聞いたら、今の子供たちには何が必要なのかや町の人たちの支援の手厚さがわかったと思います。
それだけで弟子屈高校に行かせようと思う親が増えるのではないかと思う内容でした。
今回私がこのフォーラムを知ったのは、学校から配られたプリントだけです。また、この日は弟子屈中学校の体育祭や30代、40代のコロナウィルスワクチンの集団接種の日だったこともあり、一般として来ている小中学生の親はとても少なかったです。
せっかくの機会なのに、届いて欲しい人に情報が届いてないのは残念だなぁと思いました。
もっとたくさんの人に情報が届く方法や、ZOOM等で気軽に参加できるシステムづくりが必要だと感じています。
先ほども書いたように、弟子屈町に住んでいる大人たちのなかには、町を良くしたいと思っている人がたくさんいることがわかりました。
みんな思いは一緒なので、あとはうまく連携して、実際に子供を育てている親世代に思いが伝わればと思っています。
そのお手伝いをpaletteも少なからずして行きたいです。
近い将来、弟子屈高校が選ばれる学校になることを願っています。
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弟子屈で『居心地のいい図書館』を一緒に作りませんか?Vol.9へ続く…
お知らせ
6/18,19に弟子屈町で行われるイベントのお知らせです!
paletteも19日にあおぞら図書館を開店予定です。
是非お越し下さい。
また、ボランティアスタッフも募集中です!!
お手伝いしていただける方は公式LINEよりご連絡ください。
※"palette~ここから繋がる町づくり"は図書館に思いのある人たちが集まった小さな団体です。あくまでも弟子屈町非公式の団体であることをご了承下さい。また、現段階で決定している弟子屈町の計画はそのままに、+αの部分で関わりたいと考えています。弟子屈町と共に歩み、作り上げて行く考えであることをご理解下さい。
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