
たちどまる 深呼吸
最近、銀杏並木が帽子から順に衣替えをはじめている
わたしも彼らに倣って衣替えをした
暑い時間は陽射しなんて浴びない暮らしだし、と言い聞かせたりして
仕事帰りの夜道
久しぶりに星空を仰いだ
学生の頃は毎日のように夜空を眺めながら帰っていたわたし
あの日、いつもの川沿いで 星空ばかりを向いて歩いていたら父親が車で帰ってきて
遠くからでも私かなと思ったなんて言って笑っていた
「こんなところで口開けて空見て歩いとる奴 他におらんやろ」なんて言われた
もう子どもとは名乗れないほどの歳だったけれどちょっとだけ喜んだ
最近 夜空は見てなかったな
と思って
星ごと吸い込むんじゃないかってくらいに目一杯深呼吸して
ぐんと自転車を漕いだ
この冬は星を見にいきたい
誰かを誘ってみようと思う
冬の星は
人と一緒に寒い寒いって言いながらぬくぬくして観るのがいちばんなんだから
でも、そんなこと出来るかな
決めたそばから怖気付く
人を誘うのはとても苦手でいつもひとりで動いてしまう
だけど、
やっぱり誰かを誘ってみようと思う
、、、でもやっぱり
うじうじしている間に
誰かに誘われたらいちばんうれしいよな
、、ってことはやっぱり
誰かを誘ったらその人は喜んでくれるんだろうか
わたしが星見に行こうなんて誘ったらみんなびっくりするだろうな
きっと喜んでくれるな、と思う顔がいくつか浮かぶ
冬までに。
誰かを誘ってみようと思う
そしてまた別な誰かに誘われたりして
うれしくて何度だって星を見るそんな冬にしたい
秋は
美味しいご飯を食べて
静かに言葉と戯れられれば十分だからね
何もしなくても秋ってだけでうれしいのだから
とりたてて話すことはありません。
夏が嫌いな人間は往々にして秋を愛する。私たちの季節だ。
ね、そういうこと
たまに誰かと
「このご飯美味しいね」とか「この本読んでみて」とか
そんな話ができたらもうもう大満足です
四季が僕を巡るのではない
僕が四季を巡るのだと
まだまだ残暑と戦っている
そんな今日の頭の中
0907