
岡山の朝
夏のはなし、岡山へ
あの旅の写真をやっとやっと現像したから思い出しながら綴る
はじめてあの朝と溶け合ったのが2020年の夏
コロナがはじまって 最初の夏
大好きだった 朝焼けを眺めながらの電車通学がなくなって
わたしは焦燥していた
そんなときにこの宿を知って
課題だけを荷物に片道5時間の車旅を決めた
台風が福岡に迫る中「明日出発すれば逃げ切れる」と言って
さすがに心配され 母親と課題だけを積荷にたどり着いたこの宿で
わたしは教壇に立つための指導案をつくった
合言葉は
「走れ、台風に追いつかれない速さで」
あの日から
偶然ではあるけれど ニ年毎にこの地を訪ねている
この朝焼けのために
ことしの夏は妹を共に連れ出した
ずっと前から何となく
この子にはひとり旅という選択肢を知らせておきたかった
だから 私が友人と会うあいだ 妹を岡山に置き去りにした
はじめてのおつかいさせてる母親はこんな気持ちなんだろうと勝手に重ねたり。
貸したカメラにたくさん写真が撮られていて楽しかったんだなと思った
「ひとり旅向いてるかも」とか言っててすこしうれしかったりもした

あれから季節は巡り
もう一年が終わろうとしている
少し前に読んだ 今年のベスト本が私の思い上がりに気づかせてくれて
ちょっとだけ泣いた
本を読んで泣くことは殆どないのに どうしてか泣いてしまった
いや、なんか泣いていた
最近読んでいる本は 先生のように私を導いてくれていて
久しぶりに頭の中の議題が 本から提示されたものでいっぱいになっている
さてと、
CDとPCと戦いながらこんな時間になってしまったから
本のことは一年間を思い返しながらゆっくり記す
今夜の帰り道のおともはCarpentersです
そういえば岡山旅のおともに藤井風のカバーで聴いたな
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