大人の事情と 子どもの犠牲と 選挙のこと
月桃を閉めてから夜の図書館に予約本を受け取りに行った
そうしたら
衆院選のある候補者さんが帰りの人びとに挨拶をしていて
横を通ったときに手を差し出してくれたので握手してみた
全然優しい手だった
片手で応えてごめんなさい
そして道すがら、いろいろのことを考えた
日日店の前を通る選挙カーから聞こえてくるのは
候補者名と政党のみで
どの政党も等しく
やる気も決意も発信せずに大声で一票を求めてくるんです
決意表明は街頭演説の時だけなんですかねえ
街頭演説聞きに行くための時間はまだ持つ気になれないんですよね
なんてことを何日か前に人と話していた
本人たちもあれがいかに無意義なことかは分かってると思うよ
でも結局、あれが一番効果がある、覚えてもらえるから
と、納得したところだった
そんな事があっての先のこと。
遠い記憶が蘇る
まだ親に手を引かれるくらいに幼かった頃
その候補者と握手をしたことがある
なぜかずっと覚えていて
私は政治に関心を持てなかった今までの選挙の度
その一点の理由のみで彼に投票していた
ああ、「これが結局いちばん効果がある」確かにそうだな
突然、自分事として腑に落ちた
月桃をはじめて最初の選挙、ひとつ驚いたことがある
この場所は町の小学生の基地になりつつあり
保護猫のときは中学生も協力してくれた
せっかくだしと思い
ひとまず好きな絵師さんふたりの“投票しようねポスター”を貼って
文章でひと芝居している
前略後略つらつらと
「通学路に街灯をつけるかどうかを決める人もこの選挙で決まります」
「大人がうっかりリーダー選びに失敗することで、戦争の犠牲になっている子どもたちが世界にはたくさんいます」
なんてことを仰々しく書き連ねている、本当に私はそう思っている
その月桃ポスターをしっかり読んでくれる下校中の子どもたち
彼らは大人のずっとずっと前を歩いていた
「今って若い人全然投票行かないらしいよ〜お年寄りばっかなんだって」
「18歳からか〜じゃあ私たちはダメだ!」
「ママが行くって言ってた!」
ランドセルの小さなひとたちは
大人のことも 日常のことも よく見ている いつも大人が気づかされる
君たちのためにも、私たちは一度だって未来を間違えられない
そう思う
ちいさな彼らを見ていると
選挙権なんてぼけ始めたお年寄りよりよっぽど
6~30歳とかにしてはどうなのよ、と極端にテキトーなことを言いたくなる
言ってはいない、、、これも言ってないうちに入る。
裏金とか
パーティとか
自衛隊とか
ドローンとか
確かに税金の使い方を議論するということはとてもとても大切で
無論その為に政治家はいるのだけれど
なんだかもっと
長い時間の中にものごとを見る人
未来のために今がある人
って出てこれないんだろうか
子育て世代は確かに子育て支援を大切に思っているだろうけど
子どもの未来を豊かにしようと考える人の方が頼もしいんじゃなかろうか
そう思える政治家はどこかにいるんだろうか
そんなこと掲げても子どもは選挙権ないんだから票集まらないですよね
ってことなのかな
大人の事情と 子どもの犠牲とについて
勝手気ままに
今日は眠いな〜今日も暗いな〜も挟みながら
ぼやっと考えながら帰り道を歩いた
あ、一番書きたかったことを忘れていた
私たち若者が候補者と握手するっていうのは
なんだかすごく意味があるような気がした
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