【実話】7歳で父親を亡くした少女を助けた160坪の土地の話
こんにちは。長野県茅野市の工務店エルハウスです。
「事実は小説よりも奇なり」という言葉があります。
今日は、あるエルハウスメンバーの生い立ちをご紹介します。
小学1年生の冬父を亡くしました
私は小学1年生の冬、7歳の頃に父を亡くしました。
今、私の娘は小学2年生、7歳の年。この時期って、目の中に入れても痛くないということわざがある通りに、本当〜〜に可愛い時期ですが、そんな可愛い盛りの娘を残して旅立った父は、きっと後ろ髪を引かれ、もっと可愛い娘を見ていたいという気持ちで旅立ったことと思います。
今でも葬儀で父に誓った言葉を覚えています。
「お父さんの代わりに、私が家族を守るからね」
小学1年生の当時7歳の私が、なぜそんなことを誓ったのかはわかりませんが、きっとそういう宿命で生まれてきたんでしょうね。
父が母より先に他界するのはわかりきっていた事
父が母より先に他界するのは、ほぼほぼわかりきっていたことですから。
というのも、私の母が36歳の時、父が60歳の時に私は生まれました。今でこそ歳の差婚が多くなってきましたが、私の母と父はその当時とても珍しい年齢差夫婦でした。
運命の160坪の土地を買い、家を建ててくれました
私が生まれるのを時期として、父は160坪の土地を買い、家を建ててくれました。
その決断が、残された私たち家族を最大のピンチから救ってくれる事を、父はその時、知っていたのでしょうか・・・
父は先見の明がある人だった
そんな父は、先見の明がある人でした。
インベーダーが流行った昭和から平成への切り替わりの時代、喫茶店にインベーダーゲームを入れて、繁盛期を迎えました。
今でいうネットカフェみたいなものが、当時の田舎の喫茶店にリニューアルオープンしたわけですから、繁盛した事でしょう。
たぶん、時代の流れとともに何が投資先に向いているのかを、いつも考えているような人だったと思います。
父亡き後の家計
父が亡くなる前、病気が発症した時期には、父は60歳半ば。国道沿いにある喫茶店は隣の仏具屋さんへ貸しに出していました。
そのおかげで、父亡き後も家賃収入を頼りに生活できました。
ただ、その家賃も私が小学高学年に上がる頃には足りなくなり、母は働きに出るようになりました。
そして、テナントとして貸していた建物も、時とともに古くなり、改装工事をすることになり、母は何百万円という借金をすることになりました。
その後も、お金の管理があまり得意ではない(いや、言葉を選ばず言うと、かなり下手)な母は、借金を重ねることに。。。
それが、人生最大のピンチを招くことになります。
唐突な「家を売る」宣言
私が社会人になって数年の頃(当時25歳)、勤務が終わり、会社から家に帰ると、母から唐突に「あと1ヶ月以内に家を売るから、荷物をまとめておいて」
と言われました。
話を聞くと、借金で首が回らなくなり、家を売るとのこと。
その当時、借金の額は増えに増えて、総額1,200万円もありました。
そして、売れる土地・建物の値段は、なんと600万円・・・
多額の借金がのこり、さらに父が建ててくれた家もなくなる。
借金返済に加えて、家族3人が住む家の家賃が加わる、そんな未来像がそこにはありました。
最後に行き着いたのは「親子間売買」だった
私は、絶望しました。
なんとか他の方法はないかと、仕事の有給を取り、不動産屋さんの門をたたき、市の相談窓口に行き、会社の昼休みには、ガラケーの小さい画面から、聞きなれない不動産用語を始め、あらゆる情報収集をしました。
そして、私が最後に行き着いたのは、実家の土地・建物の「親子間売買」でした。
売主は母、買主は私。仲介手数料を払い、税金(取得税)をしっかり納めて、住宅ローンを1200万円組みました。
当時(2009年)の金利は1.5%。今では高く感じるこの金利が、当時は安く感じたものです。
母親から宣言された時の借金の金利は5%、8%、17%というものでした。
これで、高金利の借入先に全て完済し、低金利、長期の支払いで月々の支払いが楽になった我が家は、一旦は落ち着くのでした。
幸せな結婚生活スタート
騒動の炎は、親子間売買により、一旦消火されたように見えました。
ただ、私は当時20代半ば。当時付き合っていた彼と、結婚も考えていましたし、借金1200万円を抱えるというのは、自分の将来の家族にも損害を与えかねない、重荷以外の何者でもありませんでした。
そんな中でしたが、その背景も全部ふまえて覚悟を決めた彼から、その2年後の2011年に結婚のお話をもらい、2012年に結婚。
その翌年には長男が生まれる、という幸せな結婚生活を過ごしていました。
160坪の土地が家族みんなを助けてくれた
そして、長男が誕生した2013年、亡くなった父からのプレゼントかのように、実家がある土地に、国道が通るという話が来ました。
そして、親子間売買から5年が経った2014年、父親が私が生まれる前に決断してくれた160坪という大きな土地は、国からの補償金という形で、時を超えて、私の家族みんなを助けてくれたのです。
補償金で、残りの借金を返済し、母と妹が住む新しい住まいを買い、母の古くなった車を買い替え、残ったお金で結婚した私たち家族の土地・建物の購入資金に充てることができました。
その5年前、借金を肩代わりして母を助けるという選択肢を取らなければ、このプレゼントは受け取れませんでしたが、それも見越しての父の采配だったとすれば、我が父さすが!という感じです。
このストーリーから伝えたいこと
家は将来にわたっての大きな買い物になります。住宅ローンを組み、生活の固定費が決定する一方で、将来に渡って家族がそこに住めるという「価値」が決定します。
加えて、一家の大黒柱に万が一のことがあった時にも、私の父のように、自分がこの世にいなくても、残してくれた家が父の愛として家族に受け継がれて、感謝されるというストーリーもあります。
賃貸VS一戸建てには、世の中にはたくさんの賛否両論がありますが、私の経験を通じて、一戸建てには賃貸とは異なる大きな価値があることをお伝えしたいです。
家づくりは家族を守るための重要な投資という視点でも家づくりを考えてみてくださいね!
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