読書感想:「カラスの教科書」松原始
(見出し画像はCopilot Designerで作成しました。)
カラスの行動や、カラスについてのありがちな誤解、カラスの関係する伝承…カラスについての様々な記録が書かれている。
カラス含め、鳥類は代謝が活発で、哺乳類以上のペースで食べ続ける必要がある。
カラスの「賢い」とされる行動や、(ごみを散らかすなど)人間にとって迷惑と感じられる行動も、餌を得るためのものであるという。
カラスが群れになるのは、実は若い時だけで、子育てをする段階になると雄と雌の2羽で縄張りをつくり、侵入者を排除するらしい。これはこの本を読んで初めて知った。
カラスがマヨネーズ好きとも書いてある。これは実際に見たことがあって、
いつだったか駅の線路上にマヨネーズのボトルを咥えたカラスがいた。ボトルの中身はほとんど空だったが…。
カラスの賢さについて書かれていた章は特に印象的だった。
カラスは記憶力が良く、道具を使う事さえできる。
しかし、これは人間にとっての「賢さ」であり、ボタンをつつき続けるドバトだって、ドバトの生活の中ではそのほうが効率よく餌を手に入れられるが故の行動で、「何も考えないでストイックに動き続ける」のがドバトにとっての「賢さ」である、という視点は目から鱗だった。
カラスが賢く見えるということは、人間とカラスは似ている部分があるかもしれない。
所々にあるカラスのユーモラスなイラストがとてもかわいい。巻末にはカラスのよくあるQ&Aが載っているが、「カラスがお賽銭を盗んで自販機で買い物をする」が「それ、ガセネタです。」になっていたのが個人的に衝撃だった。カラスが自販機を使うの言うニュースを以前ネットで見かけたけれど、あれはガセネタだったのか…。